ぬらひょん

□くしゃみ
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「へっくしゅっ」
「若!風邪ですか!?」


丁度側に居た鴉天狗が物凄い形相で羽ばたきながらやって来た。


「違う違う。唯のくしゃみ…は、は…っくしゅ!」
「リクオ様ー!!!風邪ですか――!?」


風邪ではなく、鼻がムズムズしただけだと説明してる間に又もくしゃみが出ると、今度は台所で夕飯の支度をしていた雪女が大根と包丁片手に駆け寄って来た。


「だから違うって!…へっっくし、くしゅっ!」
「若ー!!!風邪です!それ風邪です!!」
「いや、青!もしかしたらインフルエンザかもしれぬぞ!!」


雪女が走った事により、巻き起こった風で舞い上がった埃のせいで続けてくしゃみが出ると、何処からともなくリクオのくしゃみを聞き付けた、青田坊と黒田坊が足音荒く走り寄って来た。

そして、黒田坊が発したインフルエンザと言う言葉に一堂騒然となる。


「誰ぞ!医者を!!」
「今卵酒を作ってお持ちしますね!!!」
「若!早く床に!!」
「拙者氷嚢を用意して参ります!」
「………ι」


最早誰も聞く耳を持たぬ状況に、リクオは疲れた様に促されるまま青田坊の用意した布団に横になるのだった…。



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