ぬらひょん

□酒が及ぼす効果
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春、4月。


麗らかな陽気に誘われる様に綻び出した花々が、香しい芳香を漂わせ始めた昨今。
人々は公園等に集まり、桜の樹を見やっては風情を楽しみ、一方では賑やかに飲めや歌えやの酒宴と化している。

昼に夜にと、桜を肴に騒ぐのは何も人間だけとは限らない。
人々と同じ様に、いやそれ以上に賑やかに宴会を開くのは、夜を好む闇の住人。


今宵も見事に咲き誇る、枝垂れ桜を愛でつつ、酒や料理を堪能している。


「ガハハハ!!どんどん酒持ってこ〜い!」
「青、お前には負けん!拙僧にも酒を!!」
「やれやれ、お酒がみるみるなくなっていきますね」
「あら毛倡妓、お酒呑ないの?」
「何言ってんの、呑んでるわよ?」
「だってジュースじゃなそれ」
「これはカクテルって言って、リキュール酒が入ってるのよv」
「へぇ〜!美味しいの!?」


宴も酣(タケナワ)。

賑やか過ぎる妖怪達の酒宴に、少し呆れ顔なのが奴良組三代目候補・若頭のリクオだ。


「ハァ、皆毎日宴会してるのに元気だなぁ…ι」


ぼそりと零した言葉と溜め息は、酔っ払いの耳に入る筈もなく、どんどんと盛り上がっていく宴に又一つ、溜め息が零れるのだった。



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