ぬらひょん

□リクオと雪女
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「うぅ、寒いぃ…」


白い息を吐き、かじかんで真っ赤になった手を一生懸命摺り合わせ暖めている。


「まだかなぁ?」


季節は、12月の半ば。
正午とは言え、気温は0℃を下回り中。

加えて分厚い雲が空を覆っている為、陽が全く射さず、体感温度は更に低く感じる。

そんな寒空の下。
まだ6才の子供が薄手の着物に、少し厚手の羽織を羽織っただけの格好でじっと空を見つめている。


「きゃあぁぁぁ!!リクオ様!そんな薄着で外に出るなんて!」
「あ、雪女」
「お風邪をお召しになりますよ!!??さあ早く部屋の中へ!」
「あ!あともう少し!!」
「でも、こんなに冷え切ってますよ;;」


雪女はリクオの真っ赤になった手を取り、痛そうに眉を顰める。


「だって、天気予報で今日降るって言ってたんだもん」
「降る?」
「雪!」
「…雪が降るのを待っていたんですか?」
「うん!だって初雪だよ!?」
「分かりました。ですけれど、せめて縁側でお待ち下さい。火鉢と膝掛けをお持ちしますから」
「…あぅ、分かった」



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