*Dream*

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『第1話 流星の出会い〜FIRST CONTACT〜』



イッシュ地方。

イッシュ地方は1年を通して気候が温暖なホウエン、寒さが厳しいシンオウとは異なり四季が明確なのだ。

春には温かな気候と共に桜が咲き誇り、夏には暑さや突き刺すような陽射し、秋には草木に色が生い茂り、そして冬には場所によって雪化粧が施される。

季節によってイッシュは様々な風景や色を見せ、訪れる場所によって天候も変化を見せるのだ。

どの地方でも共通するのは空の色。
朝や昼間の青空、夕方になれば夕焼け色、そして夜へと表情を変えていく。
気候も雨や曇り、雪も同様である。

イッシュ地方の本日は晴天。
朝や昼の青空、夕方のオレンジ、そして夜へと染まっていく。


夜空に現れたのは幾つもの満天の星。
イッシュ地方の高い山の裾にある『ヒオウギシティ』では夜を迎えた事で柔らかく灯っているいくつもの民家の明かり。

「ごちそうさまでした!」

『ヒオウギシティ』にある民家の内の1つにある家では手を合わせて夕食を終えた少女が母親に向かってそう言っていたのだ。

少女の目の前にある空になったお皿を見て

「お粗末様でした。うんうん、メイは相変わらず好き嫌いが無くて良いわね!」
「もう〜!それだと私がまるで食いしん坊みたいじゃない!」

他愛の無い母と娘の会話。
メイと呼ばれた少女は空になった食器をキッチンに運んでシンクの中に入れ終えると戻ってくるなり

「所でさ、明日何があるの?教えてよ〜」

そう聞いたのは夕飯の最中に母親が切り出した

『明日、メイにとってすっごく素敵なお話があるの。』

この言葉の意味を早く知りたくてしょうがないのだ。
そんなメイのお願いにも母親も

「だーめ、今言ったら明日の楽しみが無くなっちゃうでしょ?」

悪戯っぽく笑って答えるものの

「むぅ〜!それだと気になって今日眠れない〜!」

だだこねる様に叫ぶメイの姿に母親も朗らかに笑いながら

「ふふっ、楽しみは知らない方がワクワク感があるから良いのよ?」
「そうだけどさぁ」

解っていても納得出来てないのか頬を膨らます様子に母親が苦笑しているとカーテンの隙間から見えたのは流れ星だ。

「!今の流れ星だよね!?」

メイは目を輝かせて窓に駆け寄るなりカーテンを開けて窓を開けると夜空には星がいくつも姿を見せており流れ星が姿を見せては弧を描いて消えていく。

母親も窓の方に来るなり同じ様に空を見上げながら

「あら、珍しいわ。1回だけでなく何度も流れ星が見れるなんて、今日は凄くラッキーな日なのね!」
「うん!あ、また流れた!今度は凄く大きいの!」

メイが空を描いている大きな流れ星を指を差すがそれは星というより明らかに大きな光である。

「?流れ星の割には随分と大きくない?」
「ホントだ、それにあの大きいの…どんどん地上に近付いてるような…」

そんなやり取りをしてた最中。
例の大きな流れ星らしき物体は速度を上げる様に真っ直ぐと地上、ヒオウギの高台に向かって落ちていったのだ。

「「!!」」

一連の流れを見ていたメイと母親が目を見開く。


「星が…落ちてきた?」


そう呟いたメイをよそに
ぼんやりと見える高台からは空から落ちてきた流れ星の光らしき物が未だに見えていたのだから。


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