*Dream*
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「「………………」」
その一部始終を目撃した事で未だに信じられなくて暫しその場で茫然とするメイと母親。
「凄い光だったわね…それにしてもあれは何かしら?もしかして…伝説のポケモン?」
茫然としていた母親が紡いだ言葉に
「伝説のポケモン!?私、見てくる!」
伝説のポケモンと聞いて即座に反応し意気揚々に玄関に向かったメイの姿に
「ちょっと、メイ!待ちなさい!」
母親が慌てて制止をするもののメイは靴を履きながら
「大丈夫!あの光の正体が解ったら直ぐに戻ってくるから!」
そんなメイの言葉に母親は一息ついてから
「あのね、行っちゃ駄目とは言わないわ。好奇心旺盛な所は私とそっくりだもの、だけど今の段階ではあの光が何なのか解らないし何かあったら直ぐに家に帰ってくるかヒュウ君の所に向かう事…解った?」
メイが振り向いて頷いたのを確認すると母親は笑顔になって
「よし!解ったなら気をつけていってらっしゃい!」
「うん!いってきます!」
そう言ってメイは玄関を出る。
家の外は既に暗いものの民家の明かりや街灯のお陰で街の中でも暗さはあまり感じない。
「何なんだあれ…?」
「あれはもしかして伝説のポケモンか?」
「それならカノコのアララギ博士に連絡した方が…」
外ではメイと母親同様に高台に落ちたあの光を目撃した近所の人も外に出てきており遠巻きであったが高台に視線を向けてそんなやり取りをしている。
(近所の人も私やお母さんと同じ様にあの光が高台に落ちる様子を見ていたんだね、あれだけの凄い光だったもん。無理も無いか)
メイはそのやり取りを横目にポケモンセンターの脇にある高台に通じる階段に向かい階段を掛け上がっていく。
(あ…!)
階段を駆け上がっているとちらちらと見えてくる光。
足早に階段を掛け上がって高台にある見晴らしに到着した瞬間。
「!?」
目の前の光景に驚きを隠せない。
星だと思ったそれは丸くて大きな光であり宙に浮かんでいたのだ。
眩い光であったがその中心には何かが居た事に
(…もしかして本当に伝説のポケモン?)
メイは息を呑むと恐る恐るでありながらもその丸い大きな光の元にゆっくりながらも近づくと
「え………?」
それを見て言葉を失った。
光の中に居たのは伝説のポケモンでもはたまた地球外生命体でもない。
「嘘……でしょ…」
それは、人。
自分と同じ人間の女の人だったのだから。
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