*Dream*
□06
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「さて、2ターン目だね。いっくよーエレキッド!」
ミネズミの次にモンスターボールから飛び出したのはでんきポケモンのエレキッド。
「ルカリオ、まだ戦える?」
メイがルカリオに問いかけると
《当たり前だろうが!》
波動で応えるルカリオだが今のメイにはまだ聞こえていないもののメイは頷くとルカリオに『オボンのみ』を食べさせた。
《ありがとよ!よし!さっさと終わらせてやるぜ!》
元気が出たルカリオを見てメイはミツハルの方を向くと
「さてと、僕も本気を出しちゃおうかな!」
ミツハルとエレキッドも気合十分なのか耳からパチパチと静電気が見え隠れする。
「エレキッド、『でんこうせっか』」
「ルカリオ!こちらも『でんこうせっか』!」
互いに繰り出された『でんこうせっか』に2匹が離れた瞬間、ミツハルが目を細めて
「エレキッド、『でんきショック』」
『エーレーキッ!』
その指示にエレキッドの耳の部分にでんきが溜まりだしそしてルカリオに向かって放たれたのだ。
「!!」
ルカリオの身体に伝わる『でんきショック』の衝撃。
それの名残でルカリオの体からパチパチと小さく響く静電気の音が聞こえた。
(これは…まずいな)
辛うじて状態異常の麻痺は免れたが早めに決着をつけなければ麻痺のリスクが高くなる。
「ルカリオ、エレキッドに『はっけい』!!」
メイは賭けに出た。
この一撃でエレキッドを倒せなければ次の控えのポケモンに交代させると
『はっ、交代するまでもねぇよ!』
メイの真意に気づいたルカリオがそう叫びながら宙を舞うとそのまま急降下のする勢いでエレキッドに『はっけい』を繰り出す。
『………………』
ルカリオが着地すると視線の先ではエレキッドは目を回して倒れたが
『………っ…くっ!』
「ルカリオ!」
『はっけい』を繰り出した事によりエレキッドのとくせいでもある『せいでんき』をまともに食らって状態異常の麻痺を起こしたのだ。
(…ふぅん、あのルカリオ、あのトレーナーの為にここまでするとはよっぽど良いトレーナーなんだね)
ミツハルはメイとルカリオの様子に目を細めながらも目を回しているエレキッドに労いを言ってボールの中に戻すと
「…僕は負けてもいいけど、何だかポケモンが可哀想」
ミツハルがぽつりと呟いた。
それはコンビナートの機械音のせいでメイの耳には届かなかったものの
「ありがとね、ルカリオ。直ぐに治療するから」
『………ありがとよ…』
ルカリオが小さく呟くとメイは鞄からまひなおしを取り出してルカリオの身体に吹きかけていくと
『………ふっ、完全復活だ』
少ししてから麻痺が治ったのかルカリオが軽快に動いている様子に
「良かった」
ホッとしているメイにミツハルは賞金を手渡すと
「有り難う。君とバトルして目が覚めたよ!俺ががんがん働かないとポケモンが出番が無いことすっかり忘れていたぞ!うおー!」
いきなり叫びだしたミツハルにメイはびっくりしたものの意気揚々に持ち場に戻っていく姿に笑みを浮かべてから
「行こっか、ルカリオ」
『あぁ』
頷いたルカリオと共にメイはその場を後にすると
「1人目完了っと。さて次の作業員を探さなきゃね!」
メイは道と足場の役割を果たすパイプから草むらに向かって着地をするとルカリオも同じ様に着地して1人と1匹は次の作業員を探す為に草むらの中へと消えていった。
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