*Dream*

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《!その顔、絶対に信じてないって顔してるー!!》

そう叫んだノワールをよそにオスのイーブイはため息をついてから

《当たり前だろ?あの緑髪が言ってたように普通の人間には俺達の声は聞こえないんだからよ》
《じゃあ試してみなよ!村雨さん!》

ボール越しに話しかけてきたノワールにボールの中からやり取りを聞いていた村雨が苦笑しながら

《解ったでござるよ。》

村雨が波動を弱めた瞬間。
シオンの耳に届いたのはノワールとイーブイがやり取りしている鳴き声。

『ぶい、ぶいぶいーぶいぶーい!』

ノワールと一緒に居るオスのイーブイがシオンに向かって何か鳴いたのだ。

「………………。」

しかしシオンは何故かそのイーブイに怪訝そうに不快な表情を見せたのだ。

『おねーさん?どうしたの?』

そんな様子にノワールは首を傾げているとオスのイーブイが

『…ふぅん、どうやらノワールの言ってる事は本当みたいだな。』

何処かニヤニヤしているオスのイーブイの様子にノワールは怪訝そうに


『…ねぇ、おねーさんに向かって一体何を言ったの?』

ノワールの問にオスのイーブイはニヤリと笑うなり

『色んな意味で凄い事』
「……何か、とてつもなく卑猥な事を言われた気がするんだが…気のせいか?」

そう呟くシオンにオスのイーブイはニヤリと笑っておりノワールは驚きを隠せないでいる中で

《……我が主に対する卑猥な発言、無礼者!主が許しても拙者は許さないでござる!》

ボールの中から聞こえてくる村雨の言葉と村雨が居るモンスターボールがカタカタと動いている事に

『む、村雨さん!落ち着いて!!』

ノワールがボールの中に居る村雨を必死に宥めている様子に

「…何か向こうから不穏な空気が流れてるけどどうしたんだろうねぇ?」
『ぶいぶいぃ?』

首を傾げながらその光景をぼんやりと見ているメイとイーブイ。

『……チッ(なんつー事シオンに言ってやがるんだあのイーブイ)』

メイのルカリオの計らいで
間一髪、あのオスのイーブイが言った言葉がメイの耳に届く事が無かったのがせめての救いである。

その直後。

《拙者の堪忍袋は最早限界でござる‼》
《お、やるか?》

開閉音共に村雨がボールから飛び出してきて出てきた村雨を煽るオスのイーブイのやり取りに

《む…村雨さん、お願いだから冷静になってー‼君も村雨さんを煽らないで!》

村雨とオスのイーブイの間に一悶着あったのは言うまでもない。



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