キリ番 6000ヒット
キリ番限定職業シリーズ
第1回 「教師」
俺は阿散井恋次、高校で体育を教えている教師だ。
生徒はみんな元気ないいやつばっかで、この高校に赴任してよかったと心底思う。
今日も午前中に2クラスに実技と、1クラスに保健の授業を終えたばかりだ。
保健の授業が終わると、俺は職員室へと向かった。
『4時間目は授業がないから、今度の授業用にノートでもまとめるか!』
そんなことを考えながら職員室の戸を開け中に入ると、そこには数学担当の朽木先生がいた。
「朽木先生、次は空きですか?」
俺は教科書を自分の机に置きながら尋ねると、朽木先生はこちらを向き、軽く「あぁ」と言った。
朽木先生の机は俺の右斜め後ろだ。
彼は聡明でありながら、その容貌はとても綺麗だ。
ちょっと取っ付きにくい感じではあるが、俺はそんなに嫌いじゃない。
何かに取り組んでいるらしい朽木先生の背中から覗き込む。
「…何をやってるんですか???」
「明日の授業の準備だ」
教科書を見てみると、そこには確立の文章問題が載っていた。
「確立…ですか。数学は苦手ですけど、確立は割と好きなんですよね♪あ、でもこの手の問題は未だによく解らないですけどι」
俺は一人で勝手にペラペラと喋っていた。
「あ、すみません!!ι俺、邪魔しましたねι」
「3分の1だ」
「へっっ??!」
俺は普段あまり喋らない朽木先生を珍しく思い、聞き逃した言葉に思わずまぬけな声が出てしまった。
すると朽木先生は突然立ち上がりこちらをクルリと向くと、その女のような手を俺の腰に回してくるとグッと体を引き寄せられた。
「あ、あのぉ〜…朽木先生???ι」
「…話し掛けてくる確立3分の1」
「…はっ?!ι」
俺は訳が分からず聞き返すと、朽木先生は尚もぶつりと続けた。
「…手を繋いでくる確立5分の1」
「朽木先生〜??ι」
「兄が私を好きな確率……」
俺は朽木先の瞳に捕らわれ、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
「……100パーセントだっっ!!!!!!!!!!!」
「何だよそれつ!どこから沸いて出てくるんだよその自信ーーー!!!!!」
俺は朽木先生の手からなんとか逃げ出し、そのままカウンセリング室へと向かった。
先輩職員に迫られたという職場の悩みを聞いてもらうために…。
<完>
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