ごめんね、

□天使と悪魔
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「しっしどさーんっvV」




日も傾き始めた時間。




男子テニス部部室に騒がしい犬…もとい、鳳がやってきた。



宍戸のストーカーである彼は誰に聞かずともすぐに宍戸の居場所を突き止めた。





「…」



ドアを破壊する勢いで入ってきた鳳を無視するかのように無言な宍戸。





「…あれ?宍戸さー…ん」





若干の戸惑いを覚える鳳。




彼の脳内での宍戸はツンデレでいうデレなのだろう。




無視などは日常茶飯事なのに…。




「…」




再度声をかけるが反応は一緒である。




「ん、んもぅ!照れてるんですかっ?宍戸さんった……」






「すー…すー…」







自分に言い聞かせるように宍戸の元に駆け寄った鳳は、この世のものとは思えない可愛らしいものを見てしまった。




宍戸の寝顔である。





「(ぎゃーーーーーー!!!)」




宍戸を起こさないために声になっていない叫びをあげる鳳。





「な、何この寝顔!天使!?女神!?あぁぁんっ素敵ー!!」





その姿はまるで忍足のようだった…。






「ん…」





寝返りをうつ宍戸。




寝ているのは氷帝の高そうなソファの上なので広々としている。




気持ちよさそうだ。




「どどどどどどうしろって言うんですか!?どうして欲しいんですか!?答えて宍戸さんっ」




寝てる奴が答えられる訳がない…そんな常識的な事すら宍戸の寝顔の前ではあって無いようなものである。





「んー…む、ぅ…」






そんな鳳の心の中を知ってか知らずか、再度寝返りをうつ宍戸。





その姿は本気で天使だった。
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