ごめんね、
□ライラックを君に
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俺は、告白スポットとしても有名な、大きな桜の木の下へ宍戸さんを連れてきた。
まだ訝しげな顔をする恋人と向き合い、俺は意を決して別れ話を持ち出した。
「宍戸さん…」
「おう」
あぁ、そんな真剣な瞳も可愛らしい。
「…とりあえず鼻血拭けよ」
はっ!?
また垂れていたのか!
俺は早急に拭いさり、再び神妙な顔付きで話を続けた。
「宍戸さん…」
「だから聞こえてるっつの!…なんだよ」
「俺たち…」
「おう」
「別れましょう」
あぁー!!
言っちゃった!
今ですよ!今こそ「別れたくないの、長太郎!」って素直になる時ですよ!