詩
□最期の言葉
1ページ/1ページ
まるで夢のようだった
俺のために君が泣いてくれるなんて
なみだ顔の君が
白くゆがんでいる
ほんとに夢をみているだけなのかもな
思えばあいつに出会ってから
君はよく泣くようになったな
君はよく笑うようになったな
だから、あいつの元へいきなよ
あいつのために泣いてやれよ
あいつのために笑ってやれよ
こんな最期(とき)になっても
頭ン中ではいろいろ浮かぶのに
思ってたより俺の口は
器用じゃなかったらしい
愛してる 愛してる
何度も喉の奥で練習した言葉
こんな最期(とき)になっても
君に言う勇気が出ないなんて
代わりにこぼれ落ちた言葉は
あまりにも的外れで
君に聞こえたのかももうわからない
.