□最期の言葉
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まるで夢のようだった


俺のために君が泣いてくれるなんて



なみだ顔の君が
白くゆがんでいる

ほんとに夢をみているだけなのかもな


思えばあいつに出会ってから
君はよく泣くようになったな
君はよく笑うようになったな

だから、あいつの元へいきなよ

あいつのために泣いてやれよ
あいつのために笑ってやれよ



こんな最期(とき)になっても
頭ン中ではいろいろ浮かぶのに

思ってたより俺の口は
器用じゃなかったらしい



愛してる  愛してる

何度も喉の奥で練習した言葉


こんな最期(とき)になっても
君に言う勇気が出ないなんて


代わりにこぼれ落ちた言葉は
あまりにも的外れで

君に聞こえたのかももうわからない


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