詩
□2012年
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【火傷と涙】
こんな涙が
いったい今更
何の為になる?
この身体ごと
この記憶ごと
あのときの炎で
焼かれてしまえたら
この眼の奥に
この胸の奥に
刻まれた火傷に
苦しまずにすむのに
こんな涙
こんな涙
しみて痛いだけだよ
こんな涙が
いったい今更
誰の為になる?
あの願いごと
あの約束ごと
あのときの炎で
灰になってしまえば
この眼の奥に
この胸の奥に
しまい込んだ笑顔に
苦しまずにすむのに
こんな涙じゃ
こんな涙じゃ
あのときの炎なんか消えないんだよ