短編小説
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普段どおりに銀時はソファーで横になりジャンプを読み、神楽は定春と公園に出掛け、新八は家事を忙しくこなしていた。
「ただいまアル〜」
玄関から元気な声が聞こえ、新八は取り込んだ洗濯物を両手に持ちながら居間から顔をだした。
「おかえりなさい神楽ちゃん」
その時、新八からヒラヒラと紙が一枚落ちた。
「新八、何か落ちたヨ」
神楽が手に取り見た瞬間、新八は洗濯物を落とし素早くその紙を奪い、懐にいれた。
神楽は一瞬固まり、それからドタドタと銀時に掴みかかって
「ごらぁー!天パァァァー新八という嫁がいるのにどぉゆーことじゃボケェー!この、この死にさらせぇーー」
「神楽っ、なっ、ゲフッ…」
ビシッ、バシッ、ドカッ、ゲシッ
と殴る蹴るの暴行を働いた。
「神楽ちゃんっ!ストップストーップ!」
新八が神楽の両腕を抑えて止めさせた。
「だって、銀ちゃんが悪いアルよ!どこかでモガッ」
新八は神楽の口を塞いでズリズリと引きずり、和室へ消えていった。
「なんなんだよ…一体…」
銀時は頭からドクドク血を流していたら後ろから定春がガブッっと噛んだ。
「…さっきの見たの?」
新八は真剣な顔で神楽に聞いた。
神楽はコクンと頷き
「隠し子アルね!なんで新八があんなもん持ってるネ?離婚の時に裁判に出す為のアルか?」
新八はハァーとため息をつき
「違いますよ。って結婚してないし、男同士は結婚できませんから。あれは…」
神楽は顔をぐぐっと近付けてきて
「あれは?」
「僕の初恋の人です。銀さんには内緒ですよ」
と顔を赤くした。
「…新八は銀ちゃんが初恋の人に似てるから付き合いだしたのカ」
と軽蔑の眼差しで後ろに下がった。
「とゆーより、あの写真の子は、銀さんですよ。」
神楽の頭は〈?〉でいっぱいになりながら
「なんで子供の時の写真なんて持ってるアルか?」
「実はこの前、坂本さんに偶然会って、金時の子供の時の写真が出てきたから渡しといてくれって頼まれたんだけど…」
そう言って俯いた。
「銀さんに見せたらバリバリ破いて捨てちゃうんじゃないかなって…」