短編小説
□今日は楽しい
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神楽の為に手作り雛人形を前々から作りあげ、部屋に飾ってから新八は、ひなあられを買いに出かけた。
神楽は嬉しそうに雛人形をみつめていた。
「神楽ぁ。歌教えてやろうか?」
後ろから銀時が声をかけた。
神楽は振り返り
「歌?ひなまつりのカ?そんなん知ってるヨ」
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銀「灯りをつけたら消えちゃった〜」
神「お花をあげたら枯れちゃった〜」
銀「五人囃子も「銀さん!」
ガラッっと玄関を開け、新八は銀時に鼻フックをくらわせた。
「何、変な歌を教えとんじゃーおのれはぁぁぁー!!」
くらった銀時はそのまま投げ飛ばされ唸りながら床と仲良くしている。
「新八おかえりネ」
「ただいま。さっきの歌は覚えちゃダメだからね。ひなあられ買ってきたから飾りますよ。残ったのは食べましょうか」
「はーい」
鼻血をだくだく垂らしながら起き上がり
「教えたのは俺じゃねー!こいつはなぁ…」
新八がいない間の話を銀時は簡単に話した。
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神「今日は悲しいひなまつりぃ〜」
歌を聞いた銀時は固まり頭で理解しようと考えはじめた。
―えぇ!なんか全然歌違くね?でもそっちのほうが面白っ―
「よ、よし歌うか」
「おうよ!」
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「ふーん。…そこで僕が帰ってきたんですね?なんで間違った歌詞にノったんですか?」
軽蔑した顔で銀時に問い掛ける。
鼻にティッシュを詰め
「そのほうが面白そうだったから…」
あ、そう。という顔をしてから神楽に向き
「で、神楽ちゃん。誰から教わったの?」
「前、公園でサディスト王子に教わったアル」
銀「あのサド!」
新「沖田さんが!」
二人とも叫んだ。
神楽は首をかしげ
「この歌、違うのカ?」
銀時と新八は
『どう考えても違うだろ!』
と心の中でつっこんだ。