短編小説

□君が可愛くて
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報告書に目を通していた土方が退に目をやった。
「山崎」

「はいよっ」

「今度の休みどっか行くか」

殴られるのかと思い、目を瞑り、構えて
「すいません!…え?」

バシッと殴り
「…てめぇ、嫌なのか?」
殴られたものの土方に向き直り
「いえ。行きます」
と、鼻血を垂らしながらヘラッと笑った。

************


二人の休日の日
9時30分

退は30分前に待合場所に着いた。
遠くから土方が隠れて土方スペシャルを食べながら退を見ていた。
今日は山崎を放置プレイしてみようと思いデートに誘った。

―まぁ、すぐにあいつは帰るだろーな―

10時15分
退は時計を見たりキョロキョロし始めた。
俺を探してるのかと口がにやけてしまった。

それから約30分後、退は携帯を取出し、どこかに電話し始じめた。
マナーモードにしていた土方の携帯がブルッた。

―俺の携帯か。―

ブチッっと電源を切る。
携帯が切れた途端、山崎がガンッっとショック受けた。
その顔が面白くて手を地面にバンバンと叩き、クククッと笑った。

二時間経過して退が動きだした

―帰るのか?―

退の後ろから三人の男が声をかけてきた。

―あ?なんだあのヤローども。おいナンパか?カツアゲか?お前もヘラヘラしながら断ってんじゃーねーよ。―

退は男たちに手を引っぱられ、裏路地に連れていかれた。
―そんなんだから連れてがれてんじゃねーか!―

「あの馬鹿!」
助けに行こうとしたら退がすべて倒していた。
「あの…ごめんなさい」
退は倒した相手達にペコッと頭をさげ路地から出てきた。

少し泣きそうな顔をしていた。
あんな顔を見てしまった土方は
―放置しようと思っていたが…出ていってやるか―
そう思い、行こうとしたら既に退の姿がなかった。

「何処いきやがった?」
少しムカッときて携帯の電源を入れ、電話をかけた。
「でねーし…」
土方は必死に探し回った。
 
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