長編小説
□勘違い
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「給料とか恋の悩みとかじゃねぇですかい?」
真選組の沖田が言った言葉が銀時の頭の中でグルグルと回っていた。
給料はまぁ、いつもの事だが、新八が恋の悩み(かもしれない)
…誰か好きな奴がいるのだろうか……
と考えながら万事屋に着いた。
「ただいま」
と玄関のドアを開けたら新八がかけて来た。
「おかえりなさい。あの、銀さん?」
銀時は新八の顔を見ながら
―お前、何か悩んでるのか?なんで俺、避けられてんの?―
と、思いながらじーっと見つめていた。
あまりにも見られていた新八は
「な、何か顔に付いてます?」
と顔を覆った。
ハッとして
「あ、いや。んで何?」
「買い物に行きたいんで、スクーター出してほしいんですけど…駄目ですか?」
と銀時の顔を覗きこんで上目づかいで言ってきた。
あまり乗り気ではなかったが、新八とニケツできるならいいか。と二つ返事でOKした。
―あの上目づかい可愛かったな…つか、卑怯じゃね?でも他の奴になんて見せたくねぇーなぁ―
と思いながらスクーターを走らせた。
―銀さんと二人で買い物…僕、銀さんとバイクに乗るの好きだな。素直に抱きつけるし…って銀さんは何も思ってないのに…―
そう思ったら胸が苦しくなり、銀時に、より一層強く抱きついた。