長編小説

□What's worrying you?
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新八は家計簿を付けながら

「はぁ…今月も厳しいなぁ」

と言い、ソファーにゴロンと倒れこんだ。

どうしようかな…やっぱり家計の為に…するしかないのかなぁ。
と考えてたら、うとうとして眠りにおちた。



帰ってきた銀時が玄関のドアを開け
「ただいま〜」
と言ったが、返事がなかった。

「あ?誰もいないのか?」
と居間に入ったら新八がソファーで寝ていたのが目に入った。

おいおい昼寝ですか?と思いながらも自分の部屋から毛布を持って新八に掛けた。

銀時はじーっと寝顔を見て、まつ毛なげーなー。眼鏡とってやろ。
と思い、眼鏡に手をかけたら新八が
「ん。」
と小さく唸った。

―やべっ。可愛い―

新八の無防備な寝顔を見ていたら銀時はキスしたくなり、そっと触れてみた。

―柔けー…―

一回だけでは物足りなくて何度かしていたら嫌な感情が出てきた。

―俺、新八応援できねぇよ。多串君にあげたくねぇ…―

そう思ったら新八の首に唇を落していた。
その時
「ただいまヨ〜」
と神楽の声がして、銀時はハッとして新八から離れた。

―何やってんだ俺…あのまま神楽が帰ってこなかったら、俺…新八襲ってた…―

自己嫌悪に陥った銀時は、あまり新八に近づくのはやめようと決めた。


三十分くらい経った時、新八が起きた。
「…あれぇ?寝ちゃってた?」
体を起こして、背伸びをし、大きなあくびをした。

「やっと起きたネ〜新八お腹空いたヨ。何か食べたい。つか、食わせろ!」
神楽が向かいのソファーで酢昆布を加えながら言った。

食べてるじゃん。と、思ったが
「はいはいわかりました。今、おにぎりでも作りますから、それで夕飯まで待っててくださいね」

毛布をたたみ、ソファーに置き、台所に向かった。


炊飯器を開け、おにぎりを作りながら
やっぱり厳しいな…今日、頼んで無理だったら…


―恋よりお金か…―

ため息をついた。

居間に戻り、神楽の前におにぎりの入ったお皿を置いた。
「いただくアル〜」
とムシャムシャ食べはじめた。

新八は定春にドックフードを与えながら
「銀さん遅いですね。何処行っちゃったんだろ?」

「銀ちゃんなら新八寝てる時にはいたヨ。でもパチンコしに行っちゃったアル」
米を飛ばしながら伝えた。

「パチンコ…」
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