長編小説

□Thought
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時間は昨晩にさかのぼる。

新八が家に帰る前の話。

「山崎さんは失恋したと言ってましたけど、土方さんに告白はしたと思いますか?」
新八が銀時に聞いた。

「失恋したってんだからそうじゃねぇか?」

少し考えて
「うーん…明日、土方さんに聞いてみませんか?」

「は?」

「そんな簡単に次の恋をするなんて銀さんは…出来ますか?」

「……って俺もう次の恋とかしないんですけど」

************


「姉上が言ってたことがなんだか間違っていると思うから」
と、新八に言われて翌日の今、屯所の中の客間に俺たちは座っている。

「で、何の用だ?」
向かいにあぐらをかいて座っている土方が不機嫌そうに言った。

「煎餅くらいだせヨ」

「もう、神楽ちゃん!あの、すいません。」
新八が謝る。

「話ってーのはなぁ、お前んところのジミーの事だ」
銀時が内容を話はじめた。

「ジミー?誰だそいつ」

「ジミーじゃないヨ。ザキアル」

新八が二人につっこんだ
「銀さん、ジミーじゃないです。神楽ちゃんは惜しい!山崎さんですよ。」
山崎という言葉を聞いて土方はピクリと反応した。

「山崎に何かあったのか?」

「えぇ。今うちに泊まり込み中なんですよ。どうやら姉上のことを近藤さんに伝えないといけないらしいんで…」
新八は退が今、何をしているかをすべて話した。

「…それだけの為に山崎はいねぇのか。…ま、いいんじゃねぇか?俺には関係ねーしな。」
くわえていた煙草に火を点けフーと口から白い煙を吐いた。

「ほら関係ねーって帰ろうぜ」
銀時が立ち上がった。

「そうネ。ジミーを叩き起こして早く恋人作らせるアル」
神楽も嬉しそうに立ち上がった。

土方は"恋人"と聞きゲホゲホとむせてしまった。
「何の話だ!恋人?探す!誰に!?」

明らかに動揺している土方を見て
「山崎さんが新しい恋がしたいらしいんです。あなたに失恋したからと言ってましたよ。…知らないんですか?」

「は?知らねーよ。あいつは…」

―俺のことを好きなわけない―

「お前に恋人がいる。って言ってたぞ」
銀時がめんどくさそうに言った。

「いねぇよ。誰だ?嘘、言った奴は」
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