御題夢置場

□私の全ては貴女のもの
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「そんな…」

一人の男が、呆然と俺を見つめている。

「…こんなことが…」

有り得ない。
信じられない。
と、狼狽する阿呆に溜息を吐く。

「間抜けだな。
秘密結社に喧嘩売ったらどうなるか。
考えなかったのかよ?」

俺は苦笑しながら、ゲオルギウスを廻し始める。

回転する刃は、床を、天井を削る。

後は、目の前の阿呆の命を奪うだけ。

「ま、待ってくれ!!
助けてくれ!!
見逃してくれ!!」

命乞いをする阿呆。

「…別に良いよ?」

俺はアッサリ頷き、ゲオルギウスをしまう。

阿呆は、暫し呆然とした後、一人で逃げ出していく。

「…でもさ…」

周りを見る。
阿呆の雇っていたボディガードの死骸が転がっている。

「死ぬ覚悟がないなら
敵対したり、コイツ等を仕掛けさせるなよ」

逃げる阿呆の首をゲオルギウスが跳ね飛ばした。

「……俺。
屑な奴は嫌いなんだよね」

欠伸をしながらそう呟く。

必要なければ殺さない。

まぁ仕事なら仕方ない。

消すだけの事。

「<時の番人>」

ゲオルギウスを引き戻し、鞘に収める。

「華がないねぇ」

もっと派手な部隊だと思ってたなぁ。



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