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□ブルーレイン
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ブルーレイン


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叩かれた頬が酷く痛んだけど言い訳をする気にはなれなかった。
彼女の言い分は正しいし、事実関係も間違っていない。あえて言うならば貴方の真っ白さ故の過ちだということ。

跡部が彼女を恋人に選んでから半年。
嘘のように女遊びがなくなり、本気なのだと噂になった。同時にプラトニックだとも。
罠を仕掛けたのは私。
お酒と友達というを立場を使えば簡単だった。後悔はしないと誓ったし、実際にしてもいない。


「二度と話さないで」


大きな瞳を濡らして言う。それに私は頷いた。今更、会えるわけもないのに何を心配するのか。
跡部とはそういう男なんだ。敵とわかれば誰でも切り捨てる。二度と話すことなんてない。
彼女が扉を開けた先に見覚えのある髪が見えた。でもそれは去ることなく、扉は閉まる。
笑うしかない、とはこういう時に使うのだろうか。
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