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□暁に消える夢ならば
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俺の心を見透かす瞳を見つめ、


扱い辛い傲慢な躯に触れる。


キミは勝ち誇ったように小さく微笑って、


俺の耳に口唇を寄せて言った。


『全てを明かすのも悪くない』


有利だったはずの立場はいつの間にか逆転し、


感じ始めた焦りを隠す為に笑い返す。


キミの腕が首に絡まり、


俺の腕が腰を抱く。


窓から注ぐ月明りに光るその姿が、


眩しいくらいに俺の眼を打ち――


きっと、何もかも。


暁に消える夢ならば、


全部脱ぎ捨てて……。


『……イケそう?』



END















あとがき。

悟浄はただの遊びのつもりで三蔵を誘ったが、実は三蔵はノリノリで(笑)
マジ本気にハマり始めた悟浄の心境、ってカンジ。

2002年製(古っ)


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