反対な彼女

□反対な彼女‐未来‐
1ページ/2ページ

なんでこんなことになった?私の頭の中には疑問しか浮かばない

あのままもう帰る?ってなったから沙織さんの家に送って、沙織さんの家でテイクアウトしてきた物を食べて
沙織さんは私が持ってきたお酒をグビグビ飲み始めて、飲んで飲んで飲んで飲んで

ずっと飲んでる

いい加減まずそうだからお酒の手を止めさせようとグラスを止めたら、いやーと拒否られて終了
私と沙織さんは隣同士でソファーに座っていた
それが間違いだった

今現在ひどく絡まれている

口論などという絡まれているではない身体が絡まっているのだ
足、腕、指色々なところが絡まっている

「沙織さんしっかりしてくだい」

私は自由に動かない手を何とか動かして沙織さんの背中をトントンと触った

「私はぁしっかりしてるよぉ」

ろれつが回ってない
これは完璧に駄目だろう

「もう休んでください」

私は絡まっている体を離そうと腕や足に力をいれてみた

「だめー」

少し離れていた体が沙織さんの駄目という言葉とともに再びもとの位置に戻されていた

「いや、あの沙織さん駄目じゃなくてですね」

「未来ちゃんはぁわたしのこときらい?」

そういって目の前にある沙織さんは悲しそうに首を傾げていた
目なんてもう涙目で嫌いなんていったら即泣いてしまうだろう

「いえ嫌いなんてそんなわけ無いです」

「じゃあすき?」

ただでさえ近かった沙織さんの顔がもっと近づいてきた

目と鼻の距離?

いやそんな生易しい距離なんかじゃない

もうおでことかついてますから
これきっと少し顔動かしたら唇つくだろうなとか思ってしまった

沙織さんの唇は驚くほど柔らかかった
2年前の感触なのに私はそれをはっきりと覚えてる

だって沙織さんは酔ってたとはいえキスしたことなんてなかったし
そういうことが起こるなんて想像もしていなかった

しかしどうしてあんなに柔らかいんだろうか?
いきなりふと思ってしまった

「そうですね好きです」

沙織さんのことは昔から尊敬していたし人として好き
率直な私の気持ち

「ほんとう?」

「はい」

近すぎて表情が見えない

「よかったぁ。わたしもね未来ちゃん好き」

表情は見えないけど声だけ聞いていると、とても年上の女性には思えないくらい可愛らしい声色
まあ酔ってるからろれつ回ってないのも手伝っているけど、やっぱり可愛いなと思う

「だから」

不意に沙織さんの顔が傾いたと思ったら唇に驚くほど柔らかいものが当たっていた

あ。これ2年前と同じだ

割かし冷静な私の思考は驚くなんてことはなくて冷静に沙織さんの感触を確認していた

やっぱり柔らかいな、どうしてこんなに柔らかいんだろうか

もう少し確認すれば分かるだろうか?

思考は冷静なのに、驚くほど早く動く心臓とか
抵抗しない理由とか
求められて応えてしまっている私とか

沙織さんが酔ってるから?だから仕方がないことだと思って?

はたしてそれだけなんだろうか

色々疑問点があがったけど、とりあえずは沙織さんがやめるまではきっとこのままなんだろうなと思った
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ