反対な彼女

□反対な彼女‐未来‐
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「未来さん。起きて」

「…ん?」

何か声が聞こえた
ついでに体も揺れている
だから私は目を開く

「おはよう。あのねキッチン勝手に借りちゃったんだけど大丈夫だった?」

「おはようございます。ええ大丈夫ですけど…あれ?」

私は目をこすりながら体を起き上げた

「もう朝ですか?」

「正しくはお昼かな」

お互い寝すぎちゃったねと言いながら和さんは笑った

「お昼…ああもうそんな時間。まあいいです休みだし」

私は何だか寝すぎたのか頭が動かずもう一回ソファー倒れていた
倒れた瞬間ボフっと音がした

「え?あれ起きて未来さん!」

「…無理」

ああ。起きたくない
もう少し、もう少し

私は休みの日はとことんOFFにしている
予定が特に入っていない日なんか割と起床時間がおおざっぱ、確か今日の予定は片付けだったし。まだいいよね

「もしかして朝弱いのかな?でも昨日はばっちり支度してたし」

耳元近くで人の気配がした
私はその方向に体を倒した

「基本は弱いです。でも平日は強いです」

目をつぶりながらの受け答え
今は目を開ける気力がない

「何それ?面白いね」

耳元でクスクスと笑い声が聞こえてきた

「低血圧ということで」

「低血圧なの?」

「121、82です」

「正常だよね確かそれ」

「そうでしたっけ」

「そうだよ。だから起きて」

いきなりかけていたタオルケットを剥ぎ取られた
そして手を引っ張られる

「私ご飯用意してるから、お風呂入ってきて」

「昨日と逆転ですか?」

私はまた目を擦りながら起きた

「そう逆転だよ。だから今日は私が甲斐甲斐しく色々してあげる」

「それは、ありがたいですね」

私はあくびをしソファーから立ち上がった

「そう?それにご飯は作る約束してたもんね」

「楽しみにしています」

和さんは何だか楽しそうに笑っている
その顔を見て、私は完全に目が覚めた
やっぱりこの顔のほうが好きだ

「あんまり期待しないで」

「期待しています」

そういいながら私は荷物部屋に向かった
そして着替えとバスタオルを手に取り浴室へ向かっていった

それにしても和さんが元気になっていて良かった
こんな何でもないやり取りが出来るようになって嬉しい

「良かった本当に」

今日はもっと色々和さんと話そう
もっと何でもないやり取りを繰り返そう

それが楽しみで私の顔は自然と笑顔になっていた
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