飲ませないで!!

□飲ませないで!!‐理沙‐
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DVDを坂下に見せてから私は強制的に坂下に酒を飲ませ酔わせリベンジを仕掛けていた
もう、なんか連日坂下に負けっぱなしで嫌だし、でも酔った坂下の性欲は半端が無いんだもの
素面のときの坂下は私に手を出すどころかキスすら出来ないのに、何なのよこの違い

だから酔ったときの自分を覚えていれば、少しは気が強くなって私に手をだせるかもと思って
ここ最近というか付き合い始めてから無理矢理酔わせて、私に手を出させてるんだけど全部忘れるから全部無駄

なんなのかしら本当
坂下に悪気が無いのはわかっているんだけど、ここまで覚えられないとあーもうっ!!ってなる
こんなこと続けていたら私の体も坂下の肝臓もいつか絶対壊れると思うのよ

でも引けない。坂下にいいようにされたままなんて絶対に嫌
例え坂下が覚えていなくたって私はしっかりと覚えているんだもの
酔った坂下の顔は好きなんだけど、性欲についていけないし
でも酔っていない坂下じゃキスすら、というか手だって坂下からつないだこと無い
いつも無理矢理連行する時に私が掴むのみだし

「はあ……もう」

思わず溜息をついた
今は休日あけの月曜だから私は自分のデスクに座ってPCに向きながら仕事をしていた

昨日はDVD効果があったのか酔った坂下の攻めがいつもより短かったと思う
それでも性欲半端が無いとは思うけど、8時間の苦しみに比べたら全然ましな方だった約4時間だったし

おかげで夜もしっかり眠れたし、ここ最近で疲弊した体を久々に労えたかな
でも少し眠い、やっぱり体は正直だわと思う
我ながら頑張ってるもの体張って

もう一回溜息をついてから顔を上げて坂下のデスクを見た

見ると面白いことになっていた
眠そうに目が少し閉じては開いて、でもいつもの頼りない弱気坂下の顔じゃないから
その光景はなんだがおかしかった

きりりとして、しっかりした顔つきなのに非常に眠そう目だけ

まあそれもそうかと思う
だって日曜から今まで坂下一睡もしてないし、むしろ眠ることを許さなかった
眠って忘れるなら眠るなと言って、でも強気坂下は勿論嫌だと言った
でもそこは私も引けないし、だから仕方ないから交換条件を持ち出した
坂下相手に下手に出るのなんて嫌だったけど、今は色々なことを試してみないといけないし。だから

もし眠らなかったら坂下のしたいことに文句言わないで付き合ってあげる

なんて自分から言ってちょっと後悔
だって坂下凄く頑張ってるんだもの……今更自分の体が心配になる

私の狙いとしては、眠らないで長時間起きていたのならいつかは酔いが覚めるだろうって思っていたのに
一向に強気坂下の顔がなくならない、いつものオドオド坂下の顔に戻らない

いつもの弱気坂下の顔が恋しいなんて思うくらい私は今身の危険を感じていた
もしこのまま、坂下が酔ったまま耐え抜いたら何を要求されるのか未知数過ぎて

そう思いながら私は立ち上がって給湯室に向かった
コーヒーでも飲まないと眠気がなくならそうだし、坂下にも持っていってやろうかって思って
そして給湯室につくとそこには先客がいた確か新人の女の子
何だか男受けしそうな女の子らしい子

「あ、内藤主任どうしたんですか?」

「コーヒー飲みたくて」

「そうなんですか。あ、じゃあ今いれますね」

「ありがとう。でも大丈夫よ。ちょっと濃く作らないとだから」

そう言いながら隣に立ってカップを2つ置き、そこに粉を入れていく

「どなたに作ってるんですか?」

私が誰かに作るのなんて珍しいのか、まじまじと見られている

「私用と坂下用」

「坂下さん、ですか?でもどうして主任が?」

「ついでよ」

女の子はそうなんですかと言って何か思い出したかのように、そう言えばと言葉を続ける

「何だか今日の坂下さんは存在感がいつもと違うというか……坂下さんってかっこいいんですね」

今日初めてそう思いました何て後輩に言われる坂下
ちょっとかわいそうかも。でも、ま私も同意見かな

「いつもはうっすーいからね坂下。でもよく注目してあげると顔いいのよ坂下は」

そう言いながらポットからお湯を出してカップに注ぎ、混ぜてからカップを手に持った

「じゃあね。残りの仕事も頑張りなさいよ」

私は女の子に背を向けてカップを持ちながら給湯室を後にした
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