飲ませないで!!

□飲ませないで!!‐遥‐
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主任と付き合い始めてから初めて記憶があるまま私は酔いから覚めた。しかも仕事中に
酔っているときの記憶、主任に何をしていたのかも自分がどんなことになっているのかも全部覚えていた

今までの主任じゃない人達のとき、少しだけだけど覚えているときがあった
でもその覚えている中の記憶と主任のときの自分は何だか違う気がした
DVDを見させられたときは、あんまりにも驚きすぎてよくわからなくて頭が真っ白だったけど
映像じゃない自分の記憶だと少しDVDとは感じ方が違う

しかも酔っているときに私が寝なかったら主任が私の言うことを聞いてくれるって言ってくれたから
私は頑張って起きていて、しかも酔いが覚めたときに勢いあまってデートしてくださいと言ってしまった

主任とはいつも飲まされに飲みに行くか、気がつくとベットの中かって、それしかないから
何だかそれって凄く主任のことを知らないような気がして、だから主任とどこかに行ってみたかった
そして私は遊園地に行きたいと咄嗟に言っていた

デートってしたことがなくて……一般的にはどこにデートで行けばいいのかわからなくて
だから遊園地とかならデートっぽいかなって思ったから

それに私には恋人なんて今までいなかった
携帯を見れば女の子の名前ばかりはあるけど
どの人も、付き合っていた訳ではないはず
だって普通にメールとか電話がかかってくるわけじゃないから

呼び出されて、飲みにつれていかれて、気づくとベットの中
いつもそればかり
そんな関係嫌なのに、いつも断れない
というか皆強すぎる気がする。断る隙がない

でも主任に出会うまで過去一番押しが強かった人から私は勇気を振り絞って逃げたことがある
そして逃げた先で主任に出会った

主任も押しが相当強いけど何だか今までの人とは少し違う気がする
私のこと酔わせるけど、私が覚えているかどうかを気にして、素の私のまま手を出せって言ってくれるから
今までの人はそんなこと誰も言ってはくれなかった
皆絶対に酔っている私しか眼中にないというか……素の私なんて誰も必要としてはくれていないというか

だから、そんなの悲しいだけで、例え私が酔って記憶がなくならない私だったとしても覚えていたくはないと思う。最低な考えかもしれないけけど

でも、主任は酔っていない私のことも必要としてくれたから
だから主任のことを今より知って、それで、ちゃんとしたお付き合いをしたい

いつもみたいに体だけじゃなくて、違うことも知りたいから

なんて言う私の淡い思いは見事に打ち砕かれた

今私は自宅のベットに見事に押し倒されていた
私の上に主任がいて、上から私のことを押さえつけて見下ろしている

「坂下!!」

「は、はい!!」

「覚悟は出来ているわね!?」

目を細められて見られていると怖くて直視できない

「さあ、手を出しなさいよ」

無茶苦茶だっっ
だって会社でデートとかして主任のこと知らないと手なんて出せないって言ったのにっ

「む、無理、です」

「無理じゃない。無理だって思ってるから無理なのよ」

「で、でも」

「でもじゃない。出来ない理由なんて要らないのよ」

そう言って主任は私の手を離して真っ直ぐに私のことを見てた
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