飲ませないで!!
□飲ませないで!!‐理沙‐
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今日は坂下と出かける約束だった
10時きっかりうちに来いと命令しておいた
どこかで待ち合わせとか面倒臭いし。それに坂下が車出すからそっちの方が楽だし
「遅い」
でも坂下は10時を過ぎてもうちに来なかった
最初はインターフォンを押せなくて固まってるのかと思ってモニターを覗いても誰もいなかった
「坂下のくせにいい根性してるじゃない」
部屋のソファーに足を組みながら座る
ちょっとイライラとしている。だって自分からデートしたいって言っておいて遅れるなんて何ふざけてるのって感じ
「私を待たせるなんて……どうしてくれようか」
何かちょっといつもより頑張っちゃったのにさ
服とかちょっと考えちゃったのにさ
ちょっと早く会いたかったとかさ
昨日は珍しく休肝日を与えてあげて、いつも夜一緒だったのに昨日だけはいなかったから
何かちょっと寂しいとかさ
でも家の場所を教えるためにここまでは連行した。でも家にはあげなかった
だってここには同居人がいるから
私が坂下をあげたところで同居人で従姉妹の杏奈は気にはしないだろうけど
何か部屋にあげたら私が坂下に迫っちゃいそうでやめといた
それが寂しいなんて……なんだ意外と本気で私坂下に惚れてるじゃん何てイライラしながら思う
「もう」
階段上がるのにどんだけ時間かかってんだ馬鹿
電話してからもう10分以上はここに来ない
ならば自ら迎えに行くのみ。あとで覚えていなさい坂下
そう思って私は座っていたソファーから立ち上がった
でも立ち上がった瞬間リビングのドアが開いて、そこから従姉妹の杏奈となぜか杏奈に手をつながれている坂下が泣きそうな顔で入ってきた
っていうかどうして杏奈と一緒に入ってくるの?しかも手をつなぎながらとか何?
「ただいまー理沙」
「お、じゃま、してしまいました」
オドオドが物凄い坂下。何でそんなに泣きそうなの?
「玄関先でねインターフォンに指をつけたまま固まってたんだよ。面白いよね」
私にそう言いながら坂下のことをソファーに座らせた杏奈
座らせて自分もその横に座っている。相変わらず手をつないだままで
っていうか引っ付きすぎじゃない?っていうか何で手つないでんの。面白くないんだけど
「それで話を聞いたら理沙に会いに来た人らしいから入れてあげたの」
「ふーん。そ」
私は坂下のことを凝視しながら二人の前にある一人かけようのソファーに座った
むしろ杏奈のポジション私じゃない?どうして恋人がいるの私なのに一人かけように座んないといけないの?
って思いながら坂下を見ていたら坂下と目が合って、でも坂下はすぐにふいっと私から目を逸らしてしまった