反対な彼女

□私の事情
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私には彼女がいる

6歳も年下で会社の後輩

付き合いはじめたきっかけは彼女が私に告白してくれたから
恥ずかしい話だが私は誰かと深く付き合ったことがあまり無い

もう29歳だというのに浮いた話が…何年間もなかった

それは私の恋愛対象が女性という点だからではない

ただ単に勇気がないから。私には周囲の人たちに自分の恋愛対象が自分と同性の女性だということを告げる勇気がない
別に周囲の人達にカミングアウトしなくたって色々な方法で相手は探せるだろうけど私はそれをしなかった

例えばネットのそういうコミュニティサイトなんかではメル友募集の掲示板だったり近場でオフ会しませんか?みたいな掲示板だってある
なかなか現実には出会いなんて少なくて、きっとそういうところで活発的に活動していれば友達だってできるんだろうけど私はしない

できたら運命的な出会いなんかをしてみたい

29歳でなに言ってんだコノヤロウとか自分でも思うけど少しくらいロマンチックなのに憧れたっていいじゃない
たった一度の人生だもの一回で良い運命だって思える出会いをしてみたい

って長年思っていたら会社の後輩が、ある日仕事終わりに告白してくれた
彼女が入社したときに私が指導係りをしたせいなのか、ずっと憧れてましたって言ってくれた

なにこのシュチュエーション良い

もしかしてドラマチック??これが運命!?なんて一人テンション上がっちゃった

でも、そんなことを考えたのは一瞬

彼女の真剣な眼差しや、緊張したように強張った体を見たらそんな不謹慎なこと考えられなくなった
それに私もこの子のことが凄く大切だった

入社しても中々うまく周りの人達と馴染めなかった彼女
もともとの責任感の強さや負けん気の強さ、真面目さ全部彼女のいいところなんだけど、一回こうと決めると譲らないところもあって
だから少しとっつきにくいっていう欠点もあった子

それも上手く活用して周りとやっていってくれたら良かったんだけど、そうは中々上手くはいかない

私なんてある程度は仕事と普段の自分を分けているから、仕事上の自分はこうという定位置が確立されている

だから最初は彼女をフォローして正しく評価してっていうのを気をつけていた
それで月日も経って緊張も薄れてきたころ彼女もようやく周囲と馴染みはじめていた

だから少し苦労した点もあるけれど逆に何だか彼女は私にとって放ってはおけない大切な後輩になっていた

だから告白されて嫌なことなんて何もなかった
でもいちを上司と部下だしそこらへんのことも考えたが、そんなことは断る理由にはならなくて私は少し考えた後OKしていた

そしてその日から私と彼女はただの上司と部下ではなく“恋人同士”になっていた
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