反対な彼女

□反対な彼女-和-
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未来さんとの出会いはもしかして運命なんじゃないと思ってしまった

昨日失恋したことなんて綺麗サッパリとはいかないが、それほど悲しみを引きずっていなかった

泣いて、泣いて悩んで眠って

人というのは案外丈夫にできているもので一日経つと以外と少し気持ちに整理がついているのだ
これには個人差もあるだろうけど、今回は私の気持ちの整理は早かったみたい
元々付き合っていた期間も短いから、っていうのもあるかもしれない
でも、それでも私にしたら未だ優ちゃんは大切な後輩
その事実に変わりはない

私は仕事とプライベートをきっちり分けたいタイプだから仕事には余り私情を挟みたくない
とか言いつつ優ちゃんとお付き合いしちゃったから…私のポリシーを曲げてしまったのが今回は失敗だった
でも次は…もう仕事関係の人とお付き合いはしないようにしないと
じゃなきゃまた同じようなことがあったら困る

もし昨日の状態のままで一人家に帰っていたら、私はこんなに元気ではなかったかもしれない
仕事中、優ちゃんと普通に接せないかもしれなかった、だからそれが回避できたのは未来さんのおかげ
もし未来さんに出会っていなかったら、こんなに普通ではいられなかっただろうし
今回は幸運だった

彼女には感謝してもしきれない
こんな素性もなにも知らない相手をおぶって自宅に連れて行ってくれて、しかも私を気遣って起こさないで自分はソファーで眠るなんて

未来さんは優しすぎる

勘違い…してしまいそう

「和さんは何時くらいに家をでるんですか?」

ベットの横に腰掛けている未来さんが小首を傾げて私を見ている
さっきは色々慌てていてしかっり見ていなかったが未来さんはもう身支度が整っていた
ナチュラルなメイクだけど、それだけで彼女には十分。そしてパンツスーツ姿が凄く似合っている

「え?」

「いつもは何時くらいに出社しているのかと思いまして。今7時前なので、もし時間に余裕があるなら朝食でもどうかなと」

「いつもは8:30くらいに出ています。まだ余裕はありますけど、あの、その悪いです」

泊めていただいた上にご飯まで何て駄目よ和!!
ああでも心が傾く、もう少し未来さんと話しをしていたい

「一人も二人も変わりませんから気にしないで下さい」

未来さんはそう言うとベットから立ち上がりドアに向かって歩いていった

「ご飯作っている間もしよかったらお風呂はいります?時間もったいないですし」

「えっ!?」

おおおおおおお風呂まで!?
そ、それは駄目よぉ和!!

「バスタオルはお風呂場にありますから、どうぞ使ってください。お風呂の使い方とかは同じマンションだから大丈夫ですよね?」

「あ。はい大丈夫です、でもそのお風呂は」

「じゃあ私は朝食作ってますね」

未来さんはそれだけ言って私を一回見ると部屋から出て行ってしまった
ポツーンと部屋に残された私は展開の速さにしばらく頭が働かない

未来さんのペースに上手く乗っかってしまっている

「入るしかないよね」

私はベットから起き上がって立ち上がった

そういえば昨日は足痛かったのに今朝は痛くない
どうしてだろうと思って足を確認した

「バンソウコウ」

足を見ると、昨日汚れていただろう足は綺麗で傷にはバンソウコウが貼ってあった

それを見た瞬間私の心臓の鼓動が一気に早くなった

ああ。駄目

本当に勘違いしてしまう

私の心が傾いていってしまう

昨日の今日でこんなことになるなんて…意外と私気が多いのかなぁ

私は気を引き締めるためにピチっと一回頬を叩いた
それから未来さんの言葉に甘えて、寝室から出てお風呂場に向かった
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