反対な彼女

□反対な彼女‐未来‐
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いつの間にか和さんは私の腕の中で眠っていた

家に着いたのは大体19:30分前後
現在時刻は22時過ぎ

約2時間半もの間和さんを抱きしめ続けた

最初の一時間はずっと黙ったまま時間を過ごし
次の一時間はポツリポツリと会話を交わした

和さんの出身地は神奈川で私の出身地は東京とか
和さんは5月生まれで今年で29歳になったとか
私は12月生まれで27歳とか

和さんは私が年下だって知って驚いていた
自分より凄くしかっりしているから年上か同じ年だと思っていたとか

好きなもの、好きなこと、休みは何をして過ごすことが多いのか

そんなありきたりな会話

ありきたりでも私は和さんのことが知れて嬉しかった
もっとありきたりな事をしたい
ありきたりでいい、もっとありきたりでそれが普通になればいい

普通になったら、もっと和さんと一緒にいることができるから

「泣き疲れかな」

私の腕の中で眠っている和さん

少し腕を緩めて私の顔の横にあった和さんの顔を私の前方胸の方に移した
更に背中に回していた手の片方を和さんの後頭部にそえて、支えた

そして彼女の寝顔を見た

その寝顔が安らかそうで安心したと同時に自分の鼓動が早くなっていることに気がついた

背中に回していた手一本で頭まで支える、そしてあいた手で彼女の髪を触った
その感触は柔らかくてサラサラで気持ちが良いものだった

私は彼女が眠っているのをいいことに、さらにその頬に手を移動させていた

昨日は私の理性が歯止めをしたが今日は歯止めがきかない、止まらない
自分が意外と欲望に忠実だったことに驚いた

指先でそっと頬を触る

「柔らかい」

その頬は柔らかくて、温かかった

この頬にさっきまで涙が流れていたかと思うと嫌だった
もう涙は乾いているけど、私は親指でそっとその後をぬぐった

「今日もこのままずっと眠っていて」

私はしまい忘れてソファー横に置きっぱなしだったタオルケットに手を伸ばし取り
和さんの足と自分の足を慎重にソファーの上に移動させてから、タオルケットを和さんの上にかけ
そして、ソファーの前にある小さいテーブルに乗っている照明のリモコンで明かりを消した

それから自分の体を下にしてソファーにゆっくり倒れた

「寝にくくなければいいんだけど」

私の上で

でも彼女をベットに運ぼうっていう気がわかない
今日はなんだろうか一緒にずっと居てあげたかった
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