反対な彼女02

□反対な彼女‐沙織‐
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あんな余裕ぶって朝までとか言ってしまったけど内心相当緊張していた
それで落ち着こうと思って咄嗟に汗かいてるからシャワー浴びてくるね何て言ったのを浴室に来てから後悔した

「まるで誘ってるみたい…よね」

うーっと鏡の前で頭を抱えた
顔が熱い、鏡で見ると耳まで赤くなっていた

まさか未来ちゃんからあんなこと言ってもらえるなんて思ってなかったから予想外すぎて物凄く舞い上がってしまった
勢いに任せて抱きついたり、長谷部さんと未来ちゃんのこと言ったり、いつから私のこと対象でみていてくれたのかとか
とにかく普段中々できないことを一気にしてしまったから、今の私の心臓の鼓動はかなり早くて落ち着いてくれない

ふうと落ち着くために深呼吸

したところで落ち着かない

今日はもういっか…落ち着かなくても
だってこれは嫌な落ち着かないじゃない、嬉しいから落ち着かないだけ
だからこれはとても嬉しいことかなって思う

最近の落ち着かないは嫌なことばっかりだったから…

良かった、未来ちゃんが気づいてくれて
良かった、沙耶さんが教えてくれて
良かった、仲直りできて

それに、仲直りしただけじゃない
ずっと知りたかった未来ちゃんの気持も知ることができた

「恋愛対象で気になってる…か」

改めて口に出してみると物凄い微妙な言葉?

「えと…好きってこと、じゃないよねこれ」

ん?えっと好きは好きでも一番でもないのかな

恋愛対象=好き?
恋愛対象=対象内なだけ?

っていうかその対象内は私以外いるの?

そういえば風邪を引いたときに気づいたって言ってたよね
確かその時長谷部さんも未来ちゃんの家に来てた

ということは?

「…長谷部さんも対象内ってこと?」

きっともしかしなくてもそうなんだろうなって思った
私が見た未来ちゃんの長谷部さんに対する好感は好意だったってことよね

「長谷部さん、か」

電話での予想外の気遣いをしてもらった時は未来ちゃんには長谷部さんのほうが…って思った
でも、やっぱり私は未来ちゃんが好き
もう誰かに譲れないくらいに、私より違う誰かの方がなんて思えない

仲違いして、ずっと気まずくて、話せない時間が凄く辛くて嫌だった

もうそんな思いなんてしたくない

離したくない、離れたくない
そんな独占欲は未来ちゃんにとって迷惑かもしれないけど
そう思わずにはいられなかった

例え…このことで長谷部さんと何かあったとしても、きっと私

「頑張るわ」

できる限り

未来ちゃんの気持が固まるまで頑張る
だって私にはそれしかない

もう私は未来ちゃんのことが好き、だから後は好きになってもらわなきゃいけないだけなんだから

改めて決意を固めた

「よし、お風呂入っちゃおう」

とにかく今は早くお風呂入って、早く未来ちゃんの所に戻って
今までの遅れを取り戻すくらいの勢いでもう一回抱きしめて欲しいなって思った
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