反対な彼女02

□反対な彼女‐沙織‐
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沙耶さんと待っていたらバートさんが何だかイライラしたように髪をモシャモシャして出てきて私を確認するなり

「頑張って」

と言って私の肩をポンポン触っていた
あーうん、何となく二人が何を話していたのか分かってしまったわ

「ええ」

だからバートさんに苦笑しながら返事を返した

「どういうことなのかしらね、もうね呆れたわ」

「でも前より進展したから」

「サオリは受身ね、だめよここは攻めの姿勢で臨まなきゃ」

確かになって思う
きっと積極的にアプローチするべきなんだろうなって
うん…っていうか今までも割りと分かりやすい行動をしていたようにも思うんだけど
普通何とも思っていない人にずっと抱きついたりなんてしないわよね?

「ミキの察しの悪さは異常なの。行動なんかじゃ気づかないわよ」

私の思っていることを読まれたのか先に釘をさされた
行動で気づかないなら言葉?
でもそれは…うんまだ無理。だっていざ言葉にしようとすると怖いし緊張しちゃって上手く言えない気がする

「まだそれは」

そう言って口ごもるとバートさんは呆れたように溜息を吐いていた

「問題はミキだけじゃないようね」

「ごめんなさい」

「どうして私のお膳立てはこうもことごとく無意味になってしまうのかしらね」

バートさんは沙耶さんの方に移動して私を慰めてーと言いながら沙耶さんに抱きついていた
沙耶さんはうんと言ってバートさんを抱きしめ返している

何かいいなって思った

両思いで好きな人に抱きしめてもらえたらきっと凄く安心するんだろうな

「すいません沙織さんお待たせしました」

そう思いながらバートさん達を見ていたら後ろから未来ちゃんが頬をさすりながら歩いてきていた
どうしたんだろう?痛いのかな

「未来ちゃん頬っぺた痛いの?」

「少しヒリヒリしてますね」

「どうして?」

「えーと…私が鈍いから?」

そう言いながら首を傾げている、その姿が何か可愛くて思わずその頬に手を伸ばしていた

「冷やす?」

「そうですね。沙織さんの手は冷たくて丁度いいです」

「どうしてなのかしら理解に苦しむわ。そう思わないサヤ?」

いつの間にか私と未来ちゃんの横に来ていたバートさんが呆れたように私達を見てた
サヤさんはバートさんに後ろから抱きつかれてそこに立っている

「えーと。未来ちゃんだから」

「そうよね。あとサオリは意気地なしだもんね」

「アンジェラさん!!駄目ですよそんなこと言っちゃ」

「いいのよーもうね私の苦労を台無しにしてくれた二人はさっさと帰れ」

「…ごめんなさい」
「…ごめんなさい」

私と未来ちゃん同時に謝ってた
もう本当意気地なしでごめんなさいって思うわ

「謝るんならとっとと決めて」

ねーサヤと言いながらも不満そうに私達を見ていた
ああ、視線が痛い、とっても居づらいわ

未来ちゃんを見ると気まずそうに視線を泳がせていた

「…さて沙織さん帰りますか」

「あら逃げるのね。でもいいわ早く帰れ、そしてホテルでいちゃつきなさいよ腹が立つから」

「いちゃつくって」

その言葉を聞いて顔が熱くなっているのが分かった
そっか他人から見たらいちゃついているように見えるのね

「さて帰りましょうか沙織さん、じゃあねアンジー」

未来ちゃんは早口でそう言うとガシっと私の手を掴み早足で移動していた

「帰れ帰れ。この異星人め」

後ろからバートさんの不機嫌な声とそれを止めている沙耶さんの声が聞こえていた
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