反対な彼女02

□反対な彼女‐未来‐
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久しぶりに見た和さんは何かもう満身創痍という感じだった
物凄く疲れてそうで、眠そうだった

「そんなに大変だったのかな」

私はベットに腰掛けて和さんを待っていた
和さんがお風呂に入ってから数十分まだ彼女は出てこない

時計を見るともう深夜の12時を過ぎていた

「そりゃ眠いよね」

きっと仕事が終わってすぐに飛行機に乗ってきたんだろうから、そりゃあ疲れも溜まってるはずだ
和さんが仕事を頑張っている時、私は私情挟みっぱなしで仕事をしていたことに凄く罪悪感を覚えてしまった
何かもうすいませんと謝りたい

私情といえば沙織さん、私が出て行くとき物凄く私のことをジーっと見ていたな
何か言いたそうで、何だか不機嫌とても不満そうにしていた
でもその理由を聞こうとしても私は聞けなかった
なぜかとても部長に急かされて半ば押し出されるように部屋から出されたから

「んー部長も早く休みたかったのかな」

きっと部長も疲れていたんだな
いくら優秀な人といえど人の子、疲れもするだろうし

そんなことを考えていたら部屋のドアが控えめに開けられていた
そしてそこからは…

「…和さん?何でバスタオルなんです」

体にバスタオルを巻いた和さんが入ってきていた
髪はまだ濡れていて、お風呂に入っていたためか肌もうっすら桃色で血色がいい

「あ、着替えを持っていってなかったから」

そう言って和さんは荷物の方に行って中から着替えを出していた
どうしてだろうかその姿をじっと見てしまう

見ていて思った、バスタオルで隠してはいるんだけど和さんは起伏に富んだ体つきだった
しかも足とかすっとしてて綺麗だし、俗っぽい言い方だけど良い体つきというやつだ

「ねえ未来さん」

じっと見ていたら突然和さんから話しかけられてハッと意識を戻した

「そんなに見られてると少し恥ずかしいかも」

困ったように私を見ている和さんと目が合った

「すいません、見すぎでした」

何だか私が恥ずかしい、人の体をジロジロ見るなんて…まさか欲求不満か?
いやそんなわけない、断じてノーだ
いくら和さんのことが好きといえど付き合ってもいない人のことをそんな視線で見るなんて

“未来ちゃんのケダモノー”

さっき沙織さんに言われた言葉が脳裏に浮かんだ
さっきはケダモノでけっこうと言ったが

「それは断じてノーだ」

頭を抱えてしまった、もう自分が信じられない

「えと、どうしたの未来さん?]

私の様子を見て心配したのか和さんは着替えをベットの上に置いてから
着替えないで私の方に来ていた
だから思わず和さんから視線を外していた

「あ、いえどうもしていませんのでお気になさらず」

「でも未来さん様子変だよ?」

そう言いながら和さんは私の前で床に膝をついて下から私のことを見ていた

「いえ本当大丈夫なので早く着替えてください」

風邪ひきますからと一応付け加えた
だって早く着替えろとだけいうと私がその姿を意識していることがばれてしまう
私は思春期の子供かと自分で突っ込んでやりたいと思った

「ねえ未来さん」

私の心境なんてお構いなしで和さんは私の膝に片手を置いていた

「もしかして」

何かを確信したような声

「私のこと意識してる?」

そう言われて和さんの方を見た
そして目が合う
こんなに意識しているのは私だけ…そう思っていた
でも私の目に映る和さんは私以上に恥ずかしそうに顔を赤面させながら私のことを見ていた
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