反対な彼女02

□反対な彼女‐沙織‐
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私と部長は未来ちゃんと長谷部さんが泊まってる部屋から出て買い物に行っていた
色々なショップを回って水着やら洋服を見ていた

部長のテンションは終始高くて私とは正反対なものだった
もうさっきから部長の話が耳にはいってこないもの

「これなんかいいんじゃないかしら?」

部長はハンガーに吊るされた水着を手に持ってどう?って見せてきていた
でも私はそれどころじゃなくてろくすっぽ水着を見ていない

「そうですね。それでいいです」

見ていないのに返事を返して部長から水着をう受け取っていた
そしてそのまま会計をしに行こうとしていた

「松永さんは相当落合さん達のこと気になってるのねー」

いつの間にか私の横に来ていた部長がふふと笑っていた

「どうしてそんなに気になるのかしら?」

会計が終わって袋に入っている水着を受け取り私と部長は歩き始めていた
でも私は何て返答したらいいのか分からなくて困っていた
いきなり未来ちゃんが好きだから…なんて言ったら驚かれるだろうし
色々考えてしまう

「答えにくいかしら?」

部長は横から私の顔を覗き込んでいた
今度は柔らかく微笑んでいる、きっとこの笑顔は安心するものなんだろうなって思う

「松永さんは落合さんが好きなんでしょう?」

笑顔を崩さないまま部長は私を見ていた
ここ最近私が未来ちゃんのことが好きだって当てられすぎじゃない?
バートさんに部長に…こうも簡単に未来ちゃんじゃない人に言い当てられるってどういうこと?
分かりやすいのかな?でも一番気づいて欲しい人に気づいてもらえない

「どうしてそう思うんですか部長は」

「松永さんは分かりやすいわ。だって落合さんと別れてからずーっと心ここにあらずだったものね」

「…そうですね」

私は持っていた袋を胸の辺りできゅっと抱えた
この瞬間も未来ちゃんは長谷部さんと一緒に居る
もうそれだけで心が落ち着いてくれないわ

「ごめんね松永さん」

唐突に部長は謝ってきた
私は驚いて部長の顔を見た、その顔は笑顔じゃなくて悲しそうなものだった
でも私には突然謝られた理由も、どうしてそんなに悲しそうなのかも見当がつかなかった

「どうして部長が謝るんですか?」

「んーそうね…あなた達を引き裂いて買い物につきあわせちゃったから。ということにしておいて」

「随分引っかかる理由付けなんですね」

ということにしておいてってどういうこと?何か他に理由でもあるのかしら

「そう?気にしちゃ駄目よー」

部長はもう笑顔に戻っていた
中々部長って読めない人なのかもしれないって思った
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