書物

□再会の前(マユリ)
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死神にもある命の終焉。
それは、生かされているものにとっていつか訪れる必然。



一つの命が終わっても、刻は変わらず流れ過ぎる。
私は、男の存在がない世界で生き続けた。



しかしその月日は余りに永く、そしてつまらぬものとなる。



己の一部が欠ける痛み。
何をどうしても埋まることのない虚無の心を。



私は長い月日を経て初めてそれを、喪失と呼ぶのだと知った。



私は己の命の終わりが訪れるその刻まで、男が生きた記憶と共に生きていこうと決めた。



私が苦しみ生きる様がお前への罰となるように





(mayuri‐side)序

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