リクエスト・企画作品置場

□昔話し
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瀞霊廷十二番隊・隊長宿舎






既に夜も更け静まりかえる宿舎の一角。

その一部屋からは煌々と、行灯の明かりと複数の人の話し声が洩れて聞こえていた。















「じゃからの、その時わしは喜助に言うたのじゃ。
そのように頭ばかり使うておっても、男は強うはならんとな!」



「夜一さん、それは酷いじゃないッスか?
アタシは剣術だけじゃなく、色んな事を知りたかったから学問も頑張っただけっスよ」



「そうじゃな喜助。貴様は餓鬼の頃よりませた奴じゃったからのう…。
何を調べておったのか、想像はたやすいがの?」



「夜一さん、そんなエッチな子供だったみたいに言わないで下さいよ…」





わいわいと喜助の宿舎で騒ぐ面々。

と言っても、彼の部屋にいるのはこの部屋の主たる喜助と幼なじみである夜一。

そして何故か、仏頂面で座り込むマユリの三名の姿であった。



円卓を囲むように座る三人。
喜助とマユリの卓上には酒の入った徳利と、それに合うつまみが何点か用意されていた。

夜一に至っては空になった徳利は既に畳みの隅に投げ置かれ、彼女の横には大きな酒樽が用意されていた。


一見すれば、和やかな酒宴の席。



だかそんな中、マユリは二人の会話に入ることもなく。
先程から心底嫌そうな仏頂面で酒をちびりと呑むだけであった。



「あっれぇ〜、マユリさんどうかなさいましたか?
さっきから全然減ってませんよ、お酒」



マユリの右隣に座る喜助がそんな彼の表情を見て、やや心配そうに声を掛ける。


「本当じゃな、お主もっといける口じゃと思っておったが…意外に下戸か?」



喜助に続いて、マユリの左隣りに座る夜一が覗き込むように話し掛けてきたものだから、マユリは一層不機嫌な表情で声を上げた。





「不機嫌…?
嗚呼、不機嫌そのものだヨ。
何故ワタシが貴様らの酒の場に同席せねばならないのかネ?
全く、不愉快だヨ」



覗き込む夜一の顔から遠ざかる様に右へ避ければ、今度は喜助がヘラリと微笑みながらにじり寄ってくるものだから、マユリはいよいよググっと眉間の皺を深くし不快な表情を現すのだった。








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