主文

□夜一さん襲来!
1ページ/4ページ





今日は久しぶりの休日。


天気も良い。



だけれど、愛するマユリさんはお仕事中だ。






嗚呼、面白くない…



















「ハァ〜、つまんないっスねぇ…」


アタシは一人、隊舎の縁側に腰掛け真っ青な空を仰ぎ見る。



大好きなマユリさんと一緒に仕事ができ、その姿を見ていられるのはとても幸せで。

彼が技局に入ってくれたことを、とても感謝する。



しかしアタシは十二番隊の隊長であり技局長。
マユリさんはその副局長。




二人一緒に休みを取ることなど、まず不可能。






よって、一緒にイチャイチャする時間がない!!
(アタシの希望。)





最近のアタシの悩みといえば、それに尽きるのだ。




なんて単純で子供じみた悩みだろうと、自分でも思う。













「相変わらず腑抜けた顔をしておるのぉ、喜助!」




「うぉっ!?」



若干、首が痛くなるまで空を見上げていたら。

突然、隊舎の庭に植えられてある巨木のてっぺんの葉が多きく揺れ、そこから見慣れた顔がチラリと覗いた。





「夜一さんっ!いきなり声掛けないで下さいよ。
びっくりしちゃいましたよ」



「それが目的じゃからの」


バサリと葉が落ち、次の瞬間にはアタシがくつろぐ縁側へと移動した彼女。






「相変わらず素早い動きっスね、しかも霊圧まで消して…。心臓に悪いっす」



ムスリと不機嫌さを装いながら、アタシは小さな溜息をついた。







四楓院夜一。

彼女は隠密機動総司令官にしてアタシの幼なじみ。





そして大の、イタズラ好き





「主がボゥっとしておるからではないか。
儂は霊圧を完全に消した覚えはないぞ?」



ニヤリと笑って、夜一さんはアタシの左隣に腰を降ろした。




「そのしたり顔、止めて下さい。
とゆーか、来るならちゃんと門から入って下さいよ」




セキュリティ万全な筈のこの隊舎に忍び込むとは、流石ですけどね。





「今日はつれないのう…、さてはまた女と痴話喧嘩でもしたのか!?
浮気はいかんぞ、喜助?」


キラキラと目を輝かせ、夜一さんはご機嫌だ。





「違いますよ。アタシは喧嘩も浮気もしてません!
夜一さん、一体何しに来たんスか?」


「フム…」




余りにつれないアタシの態度に、夜一さんは大きな金色の瞳をパチパチさせ、何やら何度も頷いた。







次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ