小咄

□マユリ様と浦原さんA
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「ま・ゆり・さぁ〜ん!」


……。


「あれ?聞こえなかったスかねぇ…。
愛しのマユリさァーん!」




「ッ、五月蝿いヨ浦原!
毎日毎日、よくそんなだらし無い顔でフラフラと徘徊できるもんだネ」



「だらし無い顔って!酷いっスよう…。
せっかく、待ちに待った夜になったんす。
マユリさんとイチャイチャできると思うと、テンション上がるに決まってるじゃありませんかッ!」



「……別に」



「んもうっ!マユリさんたら恥ずかしがりなんですから…。
でも、そんな所も好きっスよ…」



「待てッ!近付くな浦原。何故毎夜、こうなるんだネ?」



「…こうなるって?」



「なぜ、毎夜私が貴様に襲われるんだネ」



「襲うなんて…!
マユリさん、全ては愛の営みっスよ?
アタシがどれだけ貴方を愛しているかの、体言っス」


「キサマ…、よく恥ずかしげもなくそんな事が言えるネ」



「恥ずかしい…?何故。
アタシは一日中、マユリさんの事しか考えてないっスよ。
前夜の営みを振り返り、今夜はどんなプレイ・方法で悦ばせて差し上げようかとそればかり…。
ハハっ。なんかアタシ、変態みたいスね」



「変態の自覚はあったのだネ…」



「仕方ないんスよ〜?
だってマユリさん、いつもと同じじゃ興奮して下さらないから…。
色々と工夫するのに努力してるんスよ、アタシ」



「私をキサマと同じ変態扱いしないでくれ給エ…」



「あら、酷いっス。」



「大体、なぜいつも私が受け身なんだネ…?」



「えっ…!」



「常々、思っていたのだがネ」



「何スかマユリさん!そんな今更な質問…
そりゃあアタシよりマユリさんの方が、受け体質だからじゃないっスか!」



「受け体質…?誰がそう決めたんだネ。
元来私は実験体を弄るのが好きであって、弄られるのは嫌いなのだがネ、」



「そりゃお仕事のことであって、マユリさんご自身の躯は弄られて興奮なさるタイプでもあるんスよ?
アタシの直感、最初からそうでしたもん」



「フン、キサマの勘など宛にならないヨ。
浦原。キサマの変態嗜好に毎夜付き合わされるのはかなわないネ、体がもたないヨ…」



「エェッ!?…何かご不満がありましたか?」



「しつこ過ぎるし、長すぎる。こちらの体力が持たないのだヨ…。
暫く私に、近付かないでくれ給え」



「そりゃ無理ッスよ!!
今だって朝昼込み上げる欲望を抑えるのに必死なんスよ?
暫くマユリさんに触れられないなんて…、考えられないっス!
拷問っスよ、それ」



「五月蝿いネ、とにかく暫く躯を休ませてくれ」



「嫌っスよぉ〜!欲求不満でおかしくなっちゃいますよ」



「触るな、変態。精力だけで生きてるキサマに付き合えないヨッ!」



「マユリさ〜ん、酷いっ!存在自体が卑猥物みたいなアナタを見て、アタシの下半身が黙ってる訳がないでしょう?
襲いますよ?犯しますよ、手錠とかして無理矢理に。…うふふ。マユリさんに手錠…お似合い過ぎて、興奮してきちゃいました…」



「…止め給えヨ。キサマなら、本当にやりかねない」


「そっスね、緊縛プレイ…アタシとしたことが。
マユリさんに最もお似合いのものを、見逃していたっス!」



「永遠に御免こうむるヨ…。それより、浦原」



「何スか、マユリさん?」


「まだ、試していないプレイとやらを。閃いたヨ…」



「本当ッスか!?
マユリさんのご希望なら、アタシは何だって致しますよッ!」



「ホゥ…?…では浦原」



「はいッ!」













「キサマが、下になれ」



「ん?…ンんッ!?」





「それなら私の負担はないからネ」



「いやいやっ、流石にそれはッ!」



「問答無用だヨ、さぁ浦原。そこにひざまづき給エ」


「ッ!マユリさん、冗談スよね?
ぐふっ…!痛いっ!!蹴らないで下さいよお!」



「キサマ、変態だろうが?特別にキサマの嗜好に合わせてあげるヨ…」





「マユリさ〜ん!!」





















「フゥ…。どうだったかネ、浦原?」





「お…、お上手デシタ…」







終。
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