UNDER
□邪淫
1ページ/8ページ
午前二時過ぎ
十二番隊のアタシの宿舎。
宵闇。静まり返る宿舎に、
ひたひたと近付く足音。
その気配に、アタシは内心ニタリと笑う。
アタシの自室の前でピタリと止まった足音は、それでも少し戸惑うように動かなかった。
「いらっしゃい。マユリさん…、」
優しく声を掛け襖を開ければ、少し後悔したような困った表情で俯く彼の姿。
そんな彼が可愛いくて。
優しく引き寄せれば、自分より背の低い彼の躯はすんなりと、アタシの胸に収まった。
「どうしました?」
「……」
意地悪に聞いてみた。
でも本当は、今日彼が自分の元に来る理由なんて分かりきっていた。
「浦原…―」
風呂上がりなのか、いつも彼の肌を覆う奇妙な化粧は綺麗に落とされ、その素肌を見せる。
綺麗な蒼の髪の先端は、まだ湿ったように軽くうねり、その素顔にいくつかの滴を流していた。
「髪、まだ濡れてますよ。急いで来たんですか…?」
抱いた彼の首筋に口づけながら低く呟けば、ビクリと震える躯。
いつの間に、こんなにも敏感な躯になってしまったのか。
私がそう、仕込んだのですけれど。
「昨日は、久しぶりの検体(虚)解剖とても楽しそうでしたね。
興奮しちゃって眠れませんか、マユリさん…?」
「浦原…」
呟き、アタシを見上げる彼の琥珀の双眼。
既に艶めいたその瞳と声色にアタシの心はゾクリと粟立ち、彼を室内に引き入れた。
*