UNDER
□自己保守
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他人に触れられることが、嫌いだった。
機嫌を伺うようなもそぶりも。
下心も透けるような笑みを浮かべる、下卑た輩達も。
人間と死神。
ある程度の知能を得た生物は皆どちらも、少なからず自己中心的で。
己にとっての利害を考え生きる。
自己愛・嘘・差別・偽善。
何て狡く醜い、
面倒なコト。
だからワタシは、他人を拒絶し距離を保った。
狡く醜い己でも、他者に接する事さえなければソレに気付くことはない。
実に良い案だと、ワタシは思った。
《人体実験・解体・改造》
そんな事を繰り返すうち、ワタシは他者から奇人・狂人と呼ばれるようになった。
しかしワタシの心は少しも痛まず。
むしろ常人と呼ばれる他者から離れていく事への開放感と、新たな生命を産み落とす事の快楽に、更に実験にのめり込むようになっていった。
あれだけ面倒だと思っていた、他者との接触―。
なのに何故、ワタシはこの男に抱かれているのだろうか…?
*