UNDER

□自己保守
1ページ/4ページ






他人に触れられることが、嫌いだった。





機嫌を伺うようなもそぶりも。
下心も透けるような笑みを浮かべる、下卑た輩達も。





人間と死神。

ある程度の知能を得た生物は皆どちらも、少なからず自己中心的で。
己にとっての利害を考え生きる。





自己愛・嘘・差別・偽善。
何て狡く醜い、

面倒なコト。





だからワタシは、他人を拒絶し距離を保った。



狡く醜い己でも、他者に接する事さえなければソレに気付くことはない。

実に良い案だと、ワタシは思った。



《人体実験・解体・改造》



そんな事を繰り返すうち、ワタシは他者から奇人・狂人と呼ばれるようになった。


しかしワタシの心は少しも痛まず。
むしろ常人と呼ばれる他者から離れていく事への開放感と、新たな生命を産み落とす事の快楽に、更に実験にのめり込むようになっていった。











あれだけ面倒だと思っていた、他者との接触―。



なのに何故、ワタシはこの男に抱かれているのだろうか…?














次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ