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□みがわり
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護廷十三隊十二番隊前隊長・浦原喜助



彼が尸魂界から姿を消し、既に数十年の月日が経っていた。







彼が今、現世でどのような暮らしをしているか。
今はその生死すら、曖昧な現状。

しかしそんなこと俺には全くと言っていい程に、何の意味にも興味にもならず。



ただ一つ気になる事と言えば。
彼の不在と入れ代わるように新隊長に就任した、カレの事。



俺がまだ幼かった頃から親の様な信頼と、そして技術者として崇高なる気持ちを抱き続けてきたヒト。

現十二番隊隊長及び技術開発局局長・クロツチマユリ



彼が消えてからも俺はずっと、カレを見守ってきた。



見守るー



それは少し違う様な気もする。

だってカレは、決して彼の不在を哀しむ素振りなど誰にも見せず。

ただ静かに少しずつ、自らの精神を崩壊させてきたのだから。



カレを見守ってきたと。
そう思い込んでいた、まだ餓鬼だった俺。



本当はただ自分の、一方通行な想いでカレを見てきただけに過ぎなかったと気付いたのは、本当に最近になってからだった。



















「阿近。今夜もワタシの部屋へ、来てくれるかネ?」








今日もまた、崩れかけた心の均衡を保つ為に俺を呼ぶカレの声。



「……はい」



そして俺は今日も、従順なフリをして頷くのだ。





例えばそれが、ただの身代わりであれ。



酷く滑稽で虚しい、自慰行為だとしても









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