UNDER

□自己保守
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「…ッ、…マユリさ、ん?何を。考えてるんスか…」



「あ、ぐッ…!」



正面から覗き込まれた瞬間、喜助の性器が更にマユリの中に深く埋め込まれて。思わずマユリの口から苦痛にも似た悦とした声が漏れる。



もう何度目かの交わりの中、繋がるマユリの後孔にはジクジクとした痛みと。
しかしそれを上回る、痺れるような快楽が伴っていた。





「マユリさん、凄いイイ顔…。
気持ちいいスか…?」



「う…は、アッ…!」



穏やかな笑みを浮かべる喜助の額からはじわりと汗が流れ。
その薄い色素の瞳は、明らかな情欲と快楽の光を宿したままのマユリを見つめていた。



ゆるりとした腰の律動で、喜助はマユリを再び快楽の先へ導こうとする。



その度に、繋がる場所聞こえる卑猥な粘膜音。



マユリはそれを聞きたくなくて、いつも眉を潜めた表情になってしまうのだった。






「アッ!…う、浦原ッ…、もうヤめてくれ―ッ!」



ジリジリと身体の奥から蠢めき出るどうしようもない快楽の波に、マユリは堪らず喜助の肩に爪を立てた。


「うら…は、らッ!」



「何で?…マユリさん今凄く気持ちイイでしょ?
今止めたら、駄目っスよ」




マユリの言葉に、にんまりとした笑みを浮かべ。
意地悪に殊更ゆっくりと腰を進める男を、マユリは心底呪った。















マユリは喜助に抱かれる度に思うのだ。

何故同じ男をここまで優しく扱い、抱くのだろうかと。



性欲が高まり開放される瞬間は、マユリとて身震いする様な快楽に包まれる。
だから、今までも自慰的な方法を取ることには何の抵抗も嫌悪感もなかった。



それが喜助と身体を重ねるようになってから後。
男の優しい手つきと穏やかな愛撫が、マユリを苛立たせていくようになった。





マユリにとってこの関係に、優しさや情などの感情は必要なかった。

性欲が満たされれば、返って酷い扱いを受ける方が後の気持ちがスッキリとするくらいに思う。




この行為は生理的な欲求を満たす為の手段に過ぎない。
それだけのことで良かった










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