09/11の日記

00:33
(ツン)デレな彼のセリフB
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3.そうだよ、あんたをずっと待ってた

新羅は次の日、熱を出した。
あれだけ疲労してたんだから仕方ない。

それでもまだ強がって帰ろうとするので、また俺は新羅をベッドに強制的に寝かせ、そのままずっと一緒にいる。
少しでも離れるとすぐベッドを抜け出そうとするから始末の悪い医者である。

「今日も仕事があるんだけど」

頬を染め、少々苦しそうな顔で新羅は言う。

「どの面が言ってんの。自分の状態わかってんの」

「ん、ちょっと風邪気味なだけだよ。余程のことがないと感染ったりしないから大丈夫だよ」

「そういうことじゃないでしょ…ていうか、”風邪気味”だなんてレベルじゃないだろ」

ああ、こいつは。
どこまでも自分に無頓着だ。

「今日は仕事キャンセルね。俺が電話入れといてあげるよ」

「ちょっと、臨也…!?」

少し調べれば誰が新羅に仕事依頼してるかくらいは大体わかる。
早速情報を得ようと携帯を取り出すと、手をつかまれた。
熱い、新羅の手。

「ま、ってよ。僕が自分でやる、から」

ばつの悪そうな顔で、新羅が言う。

「それなら早くしなよ。俺、ここにいるから」

「……わかったよ…」

そう言って、新羅は臨也から自分の携帯を受け取ると、どこかに電話をかけた。

「…あ、私です。岸谷です。あの、実はですね、ちょっと今日別件で用事が入ってしまいまして。…ええ。ちょっと外せない用事で。たはは…いやあ本当に申し訳ありません。代わりと言っては何ですが、私の知り合いのもっと機材等揃ってる闇医者を紹介させていただきますので!番号は…」

新羅は相変わらず明るい口調で話す。
まさか相手は新羅が熱を出しておりさっきまでベッドで呻いていたなんて思わないだろう。

「…はい、これでいいかい」

「うん、いいよ。じゃあ今日は寝てなよ」

「…うん」

新羅は珍しく素直に頷き、布団に潜り込んだ。
そのまま、すう、と寝息を立て始める。






「…ん、」

目を開けると、臨也はまだ傍にいた。

「おはよう、新羅」

「おは、よう…いつから起きてたの?」

「ん?えーと、…いつからかな」

そういって臨也は笑う。

「まさか、ずっと起きてたの?俺が眠って目を覚ますまで?」

「…そうだよ。新羅は俺が目を離したらすぐに抜け出そうとするんだから。ずっと見守ってやってた。感謝してほしいね」

だからと言って、徹夜で看病なんて、かえって臨也に健康被害が出る。
呆れかえったということを顔や声、態度全体で表しながらそんなことを俺は言った。

「臨也も僕に負けないくらい馬鹿だよ。君が倒れたらどうするのさ…」

「新羅についてだけはね。特別だよ」

臨也は意味深な笑みを浮かべながら言う。
はずかしいことを言うなよ、と抗議してみるが、どうにも臨也の顔を直視できない。
顔が妙に火照るのは、熱のせいだと思う。

そうだよ、俺の好きな人はセルティだけなんだから。

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途中で視点が変わってしまいました。
あわわわ要修行ですね;

臨也の最後のセリフは、自分に向けても言っているんです。
気持ちの確認です。
って、私が言ってしまったらダメな部分ではあるのですが、文章力が足りませんでしたー。

お題は確かに恋だったよりお借りしました。

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