短編集(BASARA)

□君の知らない物語
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「あれがデネブ、アルタイル、で、そっちがベガって名前のstarらしいぜ。
この3つで夏の大三角形だとよ。」

そんな私に気づきもせず、空を指差す政宗。
私もつられて空を見上げる。
一際輝く3つの星。

「政宗様は何でも知っているのですね♪
愛も一緒にお勉強しようかしら。」
「またどこかの国の書物??小十郎に怒られるよ。」

愛は感心したようにいい、成実は笑いながら言った。
私は自分で覚えた織姫様を見つけ、少し嬉しくなったが、彦星様が見つけられない。

「…これじゃぁ…一人ぼっち…」

小さく小さく私はつぶやいた。

「いいところだろ?
この前、散歩しててみつけたんだ。
名無しさんと成実と愛に見せたくってつれてきたってわけだ。」

政宗が珍しくはしゃいだような声をあげる。
とても楽しそうに隻眼が細められていた。

「えぇ…。ありがとうございます。」
「久しぶりにゆっくりできるよ。ありがとう、梵。」

愛と成実が微笑みつつ言う。
しかし、私は何も言えず、じっと空を見上げた。
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