出戻り忍者
□4・発
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手紙が届いたその日に許しをもらった俺は学園にその旨を伝え、準備中だ。
「つっても…なあ」
言わば出戻りである。
忍びとしてフリーで働く、と言って卒業した手前、帰りにくい。
俺が六年の時、寂しがってくれたあいつらは元気だろうか。
二年前だから俺が知ってる後輩は6年になってるのか…。
「うん、楽しみになってきた」
ある程度後輩とは仲良くしていたので忘れられているということはないだろう。
・・・たぶん。
「それじゃあ行ってきます組頭」
俺は柱に向かってつぶやく。
「君のその察知の早さは宝だよね」
隠れてたのに、と言いつつ柱の影からやれやれといった様子で出てきた組頭。
これは豆知識だがタソガレドキで働くと組頭の表情などはなんとなくわかるようになる。
それも大体一週間くらいで。
不思議だよね。