無気力紀行

□1・金曜日
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「んーやっぱ甘いものは日本だねぇ」



某31番アイスを食しつつ紫輝は目を閉じアイスを味わう。
これまでイギリスの友人の家に厄介になっていたが風景はきれいでも料理はやっぱり日本だ。
日本食が妙に好きなわけじゃないが、日本人の作ったものはやっぱり口に合う。



「しーちゃん、しーちゃん今日はどうするの?」


「んー、どうしよっかなぁ〜」



突如声を出した青年に周囲は少し驚いたような顔をする。
紫のメッシュという特殊な外見の上、整った顔である紫輝本人は人目を集めやすいためもう慣れてしまったが。



「もー!僕と話すときは小声でって言ってるでしょ〜?」



僕のこと、見えてないんだから。
そう言った彼は緑色の角を持った羊。
短い手を腰に当てて言う彼に紫輝は小さくごめん、と呟いた。
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