出戻り忍者
□5・里帰り
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「おばちゃん、お団子三本頂戴」
「はいよ」
歩き出して数日、学園に一番近い村まで来ることができた。
この村は美味しい団子屋が多いので学生時代はよく後輩を連れてきたことがある。
「んー、うまい」
団子ってとても幸せな食べ物だと思うんだ!
特にこの店はみたらしが最高だね!
「おばちゃん、お勘定」
「はーい。あら、もしかしてあなた清鷹くん?」
おばちゃんの前まで来ると声をかけられた。
俺が職について二年なので覚えているはずはないと思っていたがそうでもないようだ。
「はい、お久しぶりです」
「大きくなったわねぇ。里帰り?」
「ええ、まぁそんな感じです」
忍びであるということはむやみに言ってはいけないので俺はどこぞの店で働いていることになっていた。
おばちゃんは変わらない笑顔だ。
なんだか二年前に戻ったようで懐かしい。