出戻り忍者

□4・発
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「ありがとうございます。でも俺も忍ですから」


「中でも、ってことだよ。準備は出来たかい?」


荷物といっても何があるわけでもない。
忍服は支給されていたので数枚の私服と寝間着くらいだ。
あとは忍具くらいなもので荷造りに時間がかかるようなものでもない。



「はい。あ、ちょ、やめてください!」


「めずらしーよね。清鷹の私服ー」



べたべたと俺の着物を触る組頭。
世が世ならセクハラである。
忍務というわけでもないので俺は私服だ。
当然、忍服も着てはいるが。



「こういうのは若い女の子が喜ぶんですよ組頭」


「清鷹の方が面白いからいーの」



別に悪い人ではないからモテるはずなんだが。
組頭のそういう話はあまり聞かない。
まぁ忍者には三禁があるから溺れるってことは万に一つもないからだろうけど。
そういうものを前にしても動じないのはやはり年の功だろうか。



「清鷹、いま失礼なこと考えたね?」


「い、いいえ!」

 
 
 
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