□ビタミン
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「えっ、な、何のことですか?」
宮城の罠にまんまとかかってしまった弘樹は、
持っていた資料を床にぶち撒けた。
「あ゛―――――ッッ!!」
可哀想な絶叫。
急いでしゃがみこんで資料をかき集めようとしている弘樹の
目線に合わせて宮城も腰を落とす。
勿論、一生懸命な部下を手伝ってやるとかではなく、
彼の首筋についた例のものが目標である。
「キスマークがついてマスよ。」
口角を上げて宣告する。
「え…?」
いつもなら見られない間の抜けた表情に込み上げてくる爆笑を抑える宮城。
弘樹はせっかく拾った資料から手を離し、
光速で闇雲に首を隠そうとする。
言い訳もできないようだ。
そんな可哀想な弘樹に追い討ちをかけようと云う。


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