捧げ物

□プレゼント
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「あっ白蘭サン来てくれたんですね」


約束の時間に正チャンの部屋に来た
クリスマスだから期待しちゃってたんだけど部屋の中にいた正チャンの腕には小さな何かがいた


「正チャンソレなに?」
僕は正チャンの腕に抱かれていたソレが気になる
「赤ちゃんですよ、あっ大きな声出さないでくださいね今やっと寝たんですから」
そう言う正チャンは普段見せないような穏やかな表情で赤ん坊を見つめる
それはなにより母親のそれで
僕の頭は混乱する
「正チャン赤ん坊なんていつ生んだの?」
どす黒い感情が溢れて小さなソレに向けてしまいそうになる
「僕は男です。赤ちゃんなんて産めるわけないでしょう?」
正チャンが少し怒ったように言う
「じゃぁいったい誰の子なの?まさか愛人に産ませた・・・」
「なわけないでしょうこの子は正真正銘僕と白蘭サン貴方の子供です」

頭が混乱する
正チャンは男の子で赤ちゃんが産めない今そう確かに自身が言ったはず
でも僕と正チャンの子供だと正チャンは言った
冗談とも思えない


「正チャン・・・?」
思ったより情けない声がでた
正チャンは赤ん坊に向けていた優しい表情と同じく愛情に満ちた顔で僕を見つめている
「僕からのクリスマスプレゼントです 本当に赤ちゃんを産むことはできないのでスパナに作ってもらったんです。ちゃんと僕たちのDNAがもとになってるんですよ」
「へーすごいね」
「どことなく白蘭サンに似てますよ」
「そうかな?可愛いね」
先ほどの黒い感情がまったくなくなってその子をいとおしく思う
不思議な感覚
「僕、僕たちの子供を白蘭サンに会わせてあげたくて・・・僕、赤ちゃんを産むことはできないけど 白蘭サンといたい 僕の全部貴方にあげます、だからずっと一緒にいてください」
「当たり前じゃない ふふっ それにしてもまさか正チャンからプロポーズされるなんてね最高のクリスマスだよありがとう正チャンずっと大切にするね」
「ありがとうございます」
「こちらこそこの子に会わせてくれてありがとう。」

正チャンの腕の中で眠る小さな天使に誓おう
ママのことは僕がなにがあっても守るからね
誓いの口づけを君と天使に


いつまでも二人で
HAPPY X'mas





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