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□この気持ち
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今日もいつものように朝目覚める。
でも、そこには、いつもいる側近が
いなかった。
この気持ち
今日はやけに眠たい。いつもなら側近の雪女こと、つららがいて「朝ですよーー!若ー!」と声を上げているのだが、今日はその声が聞こえなかった。
その代わり僕の部屋には青が居た。
「若おはようございます。朝食の準備ができてるので、お早めにお願いします。」
「わかったよ。そういえば、なんで青がいるの?つららは?」
とりあえず最初に抱いた疑問を青に投げつけてみた。
「あ〜、雪女ですか。ちょっと風邪をこじらせたみたいでして、今日は休むそうです。まったく雪女でも風邪をひくんですね。」
「そうなの?大丈夫かな?」
確かに青が言ったように雪女が風邪をひくとは思わなかった。なにかあったのだろうか?すこし不安だ。
「大丈夫ですよ。ただの風邪ですから心配いらないでしょう。」
青がそう言い少し安心した。
そして僕は少し考えた。基本つららが休む時は大抵、無理をしていたか、辛いことがあった時のどちらかだ。
ふと思い出してみても辛いとか感じるようなことはなかった。
多分、疲れがたまってしまったのだろう。いくら妖怪とはいえ、そこまで人間と変わらない。
「いってきまーす。」
朝食を食べて僕は家を出て学校に向かった。
いつもの道も隣にいつもの側近が居ないだけで少し変わったように思える。僕にとって、つららはそれ程に大きい存在だったらしい事が解る。
そんな事を考えていたら、いつの間にか学校についた。
「おはよう。リクオ君!」
「おはよう。カナちゃん。」
声をかけてきたのは、幼馴染の家長カナだった。
「あれ?及川さんは今日は一緒じゃないの?」
「あ、うん。ちょと風邪をひいちゃったみたいで、やすむっていってた。あ、僕頼まれてる事あるから先行くね、じゃまた後で。」
そう答え僕はいつもの日直の仕事をした。いつもならもう少し速く終わるのだけど、今日は少し遅れた。
今までは、つららが手伝ってくれて早めに終わっていた。
ゴミ出しの時は応援してたりしていて、とても頼もしかった。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響きホームルームが始まる。
ホームルームが終わり数分後に授業がはじまる。
側近が一人居なくなっただけで、こんなにも変わるとは思わなかった。
時刻はあっとゆうまに昼だ。何故かいつもの癖で屋上に向かってしまう。いつもここで、つららと一緒に弁当を食べているからだ。でも今日はそこに、つららは居ない。なんか妙に寂しい気分になる。
そんなことを考え弁当を開くと、いつもとちがかった。
何が違うのかと言うと、実際は普通の弁当だが、いつもつららが作ると雪女のため凍ってしまうのだ。
でも、うちの連中は皆その食事をいつもたべている。凍っていても美味しいのだ。
いつも凍った物を食べてるせいか、普通の弁当が妙に懐かしく感じる。
弁当を食べ終わると、丁度昼休みが終わる。
そして午後の授業が始まる。